ジェネシス その5の続き。WOMAD Benefit Gig「SIX of the BEST」のリハーサルをハマースミス3days期間中に行ったのだか、その前日に、マーキーで「The Garden Wall」名義のシークレットギグをおこなっている。シークレットっていいながら、ファンにはバレバレだったようで、クラブには長蛇の列が出来たようだ。ガブリエルが、例のお花のマスクを持って飛び入りするらしいといった噂も立っていたようだ。若いスコットランド・ヤードが何の騒ぎだと驚いてたみたいな記事も出ていた。
WOMADフェスを開催した年、ピーター・ガブリエル Ⅳ をリリースした。「ショック・ザ・モンキー」は、放送が始まったばかりの、テレ朝のベスト・ヒット・USAでも流れた。当時最新だったサンプリング・シンセ(フェアライト)をいち早く使ったりして創られたアルバムだ。スター・オブ・ザ・ウイークだったか? 空き地にあった鉄パイプに息(風)を吹き込んで出てきた音をサンプリングした、みたいなことを話していたような…。迫力のある民族音楽的なリズムがとても新鮮だった。そう言えば、サード・アルバム完成後の音楽専科インタビューで、「日本人にも作品を知ってもらいたいから、次作では日本語盤も作る」なんて答えていて、ケイト・ブッシュのアルバムに参加した日本人ミュージシャン、クマ原田、加藤ヒロシらに作業を依頼したなんて、かなり具体的に語っていた。もしWOMADフェスでつまずかなかったら、Ⅳの日本語盤は 実現していたのかなぁ? このアルバム・ツアーは「プレイズ・ライブ」としてリリースされたので、「ガブリエルⅣ」はかなり思い入れがあるアルバムだ。
(敬称略)
ちょうど40年前、ミルトンキーンズで「SIX OF THE BEST」が行われた。ガブリエルが夏に開催した「WOMAD」フェスの負債を救済するためのコンサートで、ジェネシス・ファンにとって忘れることが出来ないイベントだ。オフィシャルな作品はなく、やむ無くファンはブートに頼った。「アバカブ」アンコール・ツアー(スリー・サイズ・ライブ・ツアー)最終ハマースミス3days公演中、たった1日リハーサルを行っただけで本番に挑んだコンサートだ。決していい内容とはいかなくても、ファンが待ち焦がれていたもので、その場に居合わせたみんなが羨ましい。ジェネシスは21世紀に入り、2度「再結成ツアー」を行ったが、これはあくまで“そして3人が残った”ジェネシスの再集結ツアーだ。フィルがドラムを叩けない今となっては、多くのジェネシス・ファンが望んでいる再結成コンサートはもう叶わないんだよなぁ。
(当時オフィシャルFCから送られてきたファンジンのピンナップ)
日本時間で今から5時間後、ニューヨーク・マジソンスクエアガーデンで、ジェネシスのコンサートが始まる……2007年のツアー、行くのを躊躇った反省から、Covid-19最中であったが、5月にチケットをゲットし観に行く気満々だった。接種証明等出来る準備はしてみたが、出入国の待機日数が長過ぎで現実的ではなくなった。終息するのではと簡単に考えてしまったが、やはり行くことは叶わなかった。