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W.M. Wheeler『創発的進化と社会の発達』の訳[創発について、水の例]

2012年07月17日 14時46分49秒 | 生物哲学
2012年7月17日-13
W.M. Wheeler『創発的進化と社会の発達』の訳[創発について、水の例]

  「今や『創発 emergence』は、これ以降の頁では、この言葉の通常の、また昆虫学での含意のような、すでに存在しているけれども隠れた何かが顕現するしたり覆いを外す、ということを意味しない。Eddy夫人の改宗におけるような奇跡的変化も意味しない。しかし、多数の要素の特異的な相互作用または編制 organization を意味する。要素は、非有機的、有機的、あるいは心的のいずれでもよいが、要素の単なる和、または『合力 resultant』とは区別される一全体 a whole を構成する。古典的な例は、もちろん、H2Oといった化合物 chemical compound である。そこでは、水素と酸素は一定の条件と一定の割合のもとで、液状の創発体 liquid emergent、つまり水、を形成するように結合する。水は、水の気体的な構成要素のどちらとも大変異なった振る舞い(諸性質)を示す。この意味で、『創発 emergence』は、『創発性〔突発性、非常性〕 emergency』という後成的な epigenetic 意味を獲得する。G.H. Lewes (1875)は、このような化学的振る舞いを指定するするために、この言葉〔語〕を使った最初の人であるが、たぶん、この意味を意図していたであろう[註1]。

 註1。『一塊のもの a mass の性質が、その分子の性質とは異なる方法は、多く存在する。主要な方法は、いくつかの性質が、合成者 resultantsではなく、創発者 emergentsであるという方法である。』
」(Wheeler, W.M. 1928. pp.14-15)。

[W]
Wheeler, W.M. 1928. Emergent Evolution and the Development of Societies. 80pp. W. W. Norton & Company, Inc., New York.