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読書録:ドミートリー オルロフ 大谷正幸訳 2015/12『崩壊5段階説 生き残る者の知恵』

2016年01月02日 22時21分41秒 | 政治経済社会学
2016年1月2日-1
読書録:ドミートリー オルロフ 1913(大谷正幸 訳 2015/12/10)『崩壊5段階説 生き残る者の知恵』

訳者によるまえがき、より。
「経済が崩壊するとどんな生活になるのか、崩壊した経済の中で生きる残るための有効な方法とはどのようなものか、そして旧ソビエト連邦の生活様式には崩壊時の苦難を緩和する備えがあったということを具体的に記したのだ。」
(大谷正幸 2015/12/10: xi)。


「〔訳者註(8)〕フレデリック・ソディは、エネルギーがどんなに潤沢でも銀行の仕組みを管理しないならば文明は滅びると予言していた。」
(オルロフ 2015/12: 43頁)。


 アイスランドはリーマンショックの波及で金融崩壊して、しかし[5期20年間在職して、6選目不出馬と報じられる]グリムソン大統領がアルシング(アイスランドの議会)の決議を拒否して、国民投票にかけて、乗り切った。代表民主主義はうまくいかず、直接民主主義が機能した。
 アイスランドの危機について財務大臣だったかの著書の翻訳本、アウスゲイル ジョウンソン『アイスランドからの警鐘』(訳書 2012/10)を前に読んだが、そのようなことについてはまったく言及がなかったと思う。首相?(女性)は出てきたが。大統領が別にいるとは、この本ではじめて知った。


アイスランドの民主主義の回復については、下記の動画を見よ。
要リンク


  「金融および商業の崩壊は、準備を怠った者に重くのしかかるという傾向がある。準備とは、通貨がハイパーインフレになって銀行が封鎖されるときでも価値を保持するものを保有しておくことや、古いやり方が機能しないまま新しいやり方が生まれてこない不確かな移行期間と言う困難を乗り切るために必需品を備蓄しておくということだ。〔略〕
 まず、適切なコミュニティー〔共同体〕を選ぶことによって、そして食料などを買いためておくか、食料や水およびエネルギーの自立した調達先を確保することによって可能だし、さらに時代がよくなるまで、時節を待ちながら世界全体を漫然と無視する方法を探し出すことによって回避することが可能となる。
 ところが、政治の崩壊はそうはいかない。なぜなら、それは世界全体を無視するわけにはいかないからだ。」
(オルロフ 2015/12: 258頁)。

 続きは、本書を読みましょう。
 今の日本の金融経済はおかしい、アベノミクスなるものは国民への福利にはならず、生活を破壊する方向に作用していると考える人に、必読書。
日本株または日本国債の暴落に備えようと思う人に、必読書。

[お]
オルロフ,ドミートリー.1913(大谷正幸 訳 2015/12/10).『崩壊5段階説 生き残る者の知恵.xxiii+1+550pp.新評論.[本体5,000円+税][B20151216]