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福島原発事故97:原発リスクと地球温暖化リスク(1)

2011年04月24日 02時09分40秒 | 生命生物生活哲学
2011年4月24日-1
福島原発事故97:原発リスクと地球温暖化リスク(1)

 「福島原発と東北地方太平洋沖地震」を「福島原発事故」に変更し、副題をつけることにする。

 
 卯辰(2010: 56頁)は、原子力技術を利用する際の主な懸念として、次の3つを挙げている。

  1. 原子力事故の際の影響は、広範囲に及び、また世代を超えて長期間残存する。
   例:1979年の米国スリーマイル島(TMI)原発事故と1986年の旧ソ連チェルノブイリ原発事故。
  2. 核廃棄物処理・処分技術が確立されておらず、人間への晩発的影響についての知見が未解明である。
  3. 核拡散、核ジャック、テロ等の危険性がある。

 懸念あるいは心配というより、これまでの経験から、他の原子炉についても可能性があると言える。さらに、小さな事故が多く実際に起きていること、また柏崎原発では、まだ3機が再運転していない(むろん、しないほうがよいし、廃炉にすべきである)ことから、かなり深刻なシステム破損があったのではないかと思われることから、日本のどこかで大きな事故が起きることが予想される。そして福島で起きてしまった。
 

 
[U]
卯辰昇.2010.6.原子力技術に対する予防原則の適用.植田和弘・大塚直(監修),損害保険ジャパン・損保ジャパン環境財団(編)『環境リスク管理と予防原則:法学的・経済学的検討』: 55-76. 有斐閣.