#ウイルス #寄生有機体 #SARSコロナウィルス #人口密度 #過密 #接触機会
Crawford, Dorothy H. 2011(永田 恭介 監訳 20140425).ウイルス ミクロの賢い寄生体.xi+240pp.丸善出版[サイエンス・パレット 016].[本体1,000円+税][B20140606][1Rh20160323、おもしろくない。;2Rh20200525、良い本だ。]
「自然宿主が狩猟と消費の対象となったからこそ、HIV並びにSARSコロナウィルスは、社会に侵入したのです。」
(Crawford 永田(監訳 20140425)、70頁)。
「人口の増加は、少なくとも自然資源の消失、汚染の増大、生物多様性の消失、地球の温暖化と、多くの問題を起こします。そして、新興ウイルス感染症の問題点を考えると、最も危惧される点は〔、〕文字通り土地がなくなることです。私たち人間はすでに野生動物の縄張りに侵入し、熱帯雨林地〔域を分断し、食べ物ために狩猟を行〔な〕い、ヒトの住む街を広げ、未来の致死性のウイルスと出会う危険を冒してきました。
現在ヒト集団の50パーセント以上は、1300万人以上の住民を抱える東京のような大都市にすんでおり、いったんこのような危険なウイルスが入り込んできたら簡単に感染が広がります。とくに、低所得国の貧しい都市では、新鮮な空気やきれいな水がない環境で、下水処理が十分でないために窮屈で不衛生な掘立て小屋の並ぶスラム街にいる住民たちは、病原微生物と簡単に接触することになります。HIV、SARS、トリインフルエンザでみられたように、地域での国を越えた国際的な感染伝播にいずれつながります。地球規模では毎年10億人以上のヒトが国を越えて飛行機に乗って移動しており、新しいウイルスは24時間以内に地球の反対側に効率よく到達することができます。」
(Crawford 永田(監訳 20140425)、78-79頁。)。
「流行において病院は感染症を増幅し、問題が発覚する前に病院外の社会へ感染を拡大してしまう場合があります。香港におけるSARS流行がまさにそうでした。病院を訪問した人が住宅地のアモイガーデンにウイルスを持ち込み、300人以上が感染し、その中の42人は死亡しました。また、エボラウイルスの流行が認識される以前には、感染は入院患者から病院職員や訪問者により社会にしばしば持ち込まれました。」
(Crawford 永田(監訳 20140425)、102頁)。
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Crawford, Dorothy H. 2011(永田 恭介 監訳 20140425).ウイルス ミクロの賢い寄生体.xi+240pp.丸善出版[サイエンス・パレット 016].[本体1,000円+税][B20140606][1Rh20160323、おもしろくない。;2Rh20200525、良い本だ。]