生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

読書録20140906

2014年09月07日 12時02分20秒 | 原発を無くす
2014年9月7日-1
読書録20140906

1.
自然エネルギー財団(編). 2013/10/4.自然エネルギーQ&A.63pp.岩波書店[岩波ブックレット].[本体500円+税][ざっとRh20140906][ob]

自然エネルギーの定義
  「自然エネルギーとは、 太陽の光や熱、風、水、地熱など、自然の循環から得られるエネルギーのことです。さらに、バイオマスやバイオガス(家畜の糞尿や食品の残りカス、下水汚泥、木質・植物系などの有機性資源、またそれらを発酵させるなどして発生するガス)、 海洋の温度差や塩の満ち干を利用して得られる電力も自然エネルギーです。 石炭、石油、天然ガスの化石燃料や、ウランなどを使う原子力などの枯渇性エネルギーとは異なる、尽きることのないエネルギーです。
 renewable energy を訳した「再生可能エネルギー」も使われますが、厳密にはエネルギーを「再生」しているのではないこと、また、自然エネルギーという言葉は、環境に負荷を与えないエネルギーという意味を込めて環境団体などが意図的に使ってきた経緯があります。
  これらのうち、月・太陽の引力によって起こる潮汐と、地下のマグマによって熱せられ地中に蓄えられた熱水や蒸気を利用する地熱以外は、太陽エネルギーを起源としています。太陽光・太陽熱は地球や降り注ぐ太陽のエネルギーをとらえて利用するもので、太陽の入射エネルギーの一部は、水を蒸発させ雨を降らせる駆動力であり、風や水の源となります。また、植物が光合成によって太陽エネルギーを体内に蓄え、動物がその植物を食することによってエネルギーを体内に蓄えるという連鎖から、バイオマスやバイオガスも太陽エネルギーを起源としています。」
(自然エネルギー財団(編)[大林ミカ(著)] 2013/10: 6-7頁)。

→冷核融合 cold nuclear fusion は、自然エネルギーに入らないのか?
 核分裂型原子力発電所からは、取り出したエネルギーの2/3が温排水がなって出ているが、これは異常気象や気候変化への影響性(の種類と各程度)はどのようなものか?。近年の15年ほど気温上昇しないことの原因は、海水への吸収としているが、今頃になってそのようなことを持ち出すということは、それまでの気候模擬モデルでは予想していなかったのか(パラメータ設定値が間違っていたのか)、そもそも事項として入っていなかったのか?。熱量として表現していなかった?。
 いずれにしろ、運転時は二酸化炭素を出さないとして、ハンセンらがいまだに(核分裂型の)原発を推奨しているのは、核廃棄物問題を無視または過小評価するものである。

→エネルギーの個人単位、一軒単位、数軒から数十軒単位(区域単位)、地域単位、自治体単位、での自給。
 産業用には、モジュールの組み合わせで。



2.
小野善康.2013/1/10.エネルギー転換の経済効果.63pp.岩波書店[岩波ブックレット].[本体500円+税][ざざっとRh20140906][ob]

 56頁の「表6 電源別CO2排出原単位」は、
今村栄一・長野浩司.日本の発電技術のライフサイクルCO2排出量評価──2009年に得られたデータを持ちいた再推計.電力中央研究所報告 2010年7月.
[pdfで96頁。
http://criepi.denken.or.jp/jp/kenkikaku/cgi-bin/report_download.cgi?download_name=Y09027&report_cde=Y09027(受信:2014年9月1日。)]
によっている。

 表6(電源別CO2排出原単位)の行や列の順序を入れ替えると次の通り。

      二酸化炭素排出単位(g-CO2/kWh)     
      直接(発電燃料) 間接(設備・運用) 合計 
小規模水力  0         11        11        
地熱     0         13        13
原子力    0         20        20
風力     0         25        25
太陽光    0         38        38
天然ガス  426        111        537
石油など  695         43        738
石炭    864         79        943

→この推計は、実験的測定データで試験され確証されているか?。
→そもそも、二酸化炭素排出を問題にするのは、原発推進の手口ではないのか?。



3.
田中利幸・カズニック,ピーター.2011/10/7.原発とヒロシマ 「原子力平和利用」の真相.61+3pp.岩波書店[岩波ブックレット].[本体500円+税][ざっとRh20140906][ob]

 原子爆弾または核爆弾の投下は、まったくの無差別殺人である。アメリカ政府は、小規模だが今も世界中で空爆によって、誤爆という名の無差別殺人を行なっている。



4.
市村正也.2012/4/25.太陽電池入門.viii+206pp.オーム社.[本体2,500円(税別)][ざっとRh20140906][ob]

 市村正也氏には、リスク論を批判した下記の論文がある。『太陽電池入門』もまた、明快である。

市村正也.2008/12/25.リスク論批判:なぜリスク論はリスク対策に対し過度に 否定的な結論を導くか Too risky risk analysis.技術倫理研究〔名古屋工業大学〕 5: 15-32.[http://repo.lib.lnitech.lac.ljp/handle/123456789/3681(受信:2014年8月21日)]
[Rh20140826]

 一世帯あたりの消費電力量は、
  1970年 120 kWh/月。
  1995年にかけて2.5倍に増加。
  1995年以降は横ばいで、300 kWh/月。
(市村正也 2012/4/25: 12頁)

 300 kWh/月は、10kWh/日。一日に、1000Wを10時間。

  「日本人一人当たりの生活用水使用量(家庭用と業務用の合計)はおよそ300リットル/日である。」
(市村正也 2012/4/25: 153頁)。

 太陽電池の寿命は約20年以上。

  EPT energy pay-back time (年)=
  製造と設置に要するエネルギー/1年間で発電する発電量。


 太陽電池システムのエネルギーペイバック時間は、
  多結晶シリコン 2.2年
  単結晶シリコン 3.0年
  CIS 1.4年。
(市村正也 2012/4/25: 170頁)。


=== 備忘録

村田武.2013/10/1?.ドイツ農業と「エネルギー転換」─バイオガス発電と家族農業経営.筑波書房[ブックレット─暮らしのなかの食と農].[810円]