生命哲学/生物哲学/生活哲学ブログ

《生命/生物、生活》を、システム的かつ体系的に、分析し総合し統合する。射程域:哲学、美術音楽詩、政治経済社会、秘教

白(っぽ)い壁に白を重ねて

2010年05月04日 21時01分08秒 | 美術/絵画
2010年5月4日-3
白(っぽ)い壁に白を重ねて

 海岸通ギャラリー CASOに急遽行くことにした。全室で展示があった。
 少し興味を持ったのは、<中尾暢明 "wall - white">。7枚のステンレススチールの板の上に40から50層に白の油絵具を装置を作って塗り重ねたもの。1枚が50kgを越えるという。
 しかし、特に効果があるわけではないだろう。横を見れば、何層にもなっているのがわかるが、正面の表面は白く、つるつるの面やあちこち浅く丸く凹んだ面になっていたりする。それはしばし見れば飽きる。(少し嫌なにおいもした。)ごくろうさまですが、対費用効果がきわめて悪いし、作品としてたいして面白くない。むしろ、画像でみると、前の作品の色彩のあるほうが面白そう。
  「私が取り組んでいる絵画における「存在」と「空間」をテーマに探求したものです。私にとって、画家の絵画への取組みは、表層として見えているものとその内側にあるものの両方を感じるところから始まっています。」
とか、
  「空間と緊密に響きあい、張り詰め、清浄されたものを作ることであり、もしそこに「存在」と「空間」の気配が感じられれば、」(http://www.cwo.zaq.ne.jp/caso/top/top1.html)

とあるが、わたしには感じられなかった。たとえば、背後の壁面に布を全面に張ったらどうだろうか。
 また、表面しか見えないのだから(透明性は感じられなかった)、内側は軽くすればよいだろうに。むろん、結果として効果が際立つならば、苦労することは意味がある。

 2階の休憩室は、A室の2階部分とは開放されていて、けっこういやな(おそらく画材に起因する)匂いが漂っている(前回来たときは問題なかった)。そそくさと昼飯して撤退した。