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冷融合(常温核融合)/STAP細胞/(グローバリズム)競争下の科学的営為

2014年03月23日 17時04分47秒 | 政治経済社会学
2014年3月23日-2
冷融合(常温核融合)/STAP細胞/(グローバリズム)競争下の科学的営為


  「常温核融合騒動は、現代科学が抱える問題点の典型例としてしばしば引き合いに出される。科学者はほんの少しの事実から過大なことをセンセーショナルに言い過ぎる、といった批判や、論文発表が今や記者会見に取って替わられてしまっているのは異常だ、などの批判である。ばかげた騒動に終わるとわかっていながら常温核融合のような騒動が繰り返し起こるのは、人々の深層心理に、無限の新エネルギーを求める幻想が横たわっているからだ、という批判もある。
 しかしことさら、ポンズとフライシュマンだけを批判するのは不当なことである。〔略〕応用面で大きな利益があると予想できる重要な発見をした科学者であればどんな慎重な人物であっても当然行〔な〕ったであろう行動をとったに過ぎないのである。特許権を確保し、記者会見で発表を行〔な〕うというのは現代の科学につきもののことである。研究者の所属する組織自体が、常に利権と評判を求めるという事実の当然過ぎる帰結でもある。〔略〕科学史をひもといてみれば、科学者が紳士であったことなどただの一度もないのである〔言い過ぎ。誇張表現である。たとえば Alfred Russel Wallace はどうだろうか? →調査範囲と判定基準を明示して、その結果の分布資料 data を出すべき。〕。常温核融合騒動で確認できたことは、科学がやはり紳士然としたものではないということだけである。変えるべきものは科学のあり方ではなく、私たちの旧態依然とした科学観の方なのである。」(コリンズ+ピンチ 1994(福岡伸一 訳 1997)『七つの科学事件ファイル』: 77-78頁)。

 科学者たちの研究生活の環境として、金銭や地位によって過大な競争へと煽らないようにするのが良い。各国の科学者たちが相互に協力的になるようにすれば、資源が節約できる。


[こ]
コリンズ,H. + T. ピンチ.1994(福岡伸一 訳 1997/2/10).七つの科学事件ファイル:科学論争の顛末.[7+]229pp.化学同人.[1,800円+税][B19970217][Harry Collins and Trevor Pinch. The Golem: What Everyone Should Know about Science. ]

近藤正高.2014年3月11日 10時00分 (2014年3月14日 09時47分 更新).小保方晴子「涙の電話」のその後。STAP細胞捏造疑惑の背景を考える.[http://www.excite.co.jp/News/reviewbook/20140311/E1394498961546.html /http://www.excite.co.jp/News/reviewbook/20140311/E1394498961546.html?_p=2/(受信:2014年3月23日。)

[お]
小畑峰太郎+本誌取材班.2014/3/18.STAP細胞に群がる悪いやつら:小保方晴子と理研「捏造の構図」.新潮45 (384)〔2014年4月号〕: 118-126.

[わ]
若山照彦[聞き手:緑慎也].2014/3/10.STAP細胞捏造疑惑に答える 小保方さんがかけてきた涙の電話.文藝春秋 92(5)〔2014年4月号〕: 176-183.

渡辺憲二.2001/7/2.プラナリアの再生と幹細胞.遺伝 (別冊 13号): 14-22.