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メカニズムの図解 (graphical) illustration / using diagrams

2010年08月26日 12時03分12秒 | 生命生物生活哲学
2010年8月26日-3
メカニズムの図解 (graphical) illustration / using diagrams

 石浦章一(2004: 41頁)の図4は、ストレスが起きたときの体内での関与する活動の過程の図解である。
 ここでは、視床、脳下垂体、そして副腎皮質が、関与している部位であり器官である。そして、関与する(作用する)物質は、コロチコトロピン放出ホルモン(CRH)と副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)とコルチゾールである。したがって、下記のような図4では、

   CRH     ACTH
 視床ーー→脳下垂体ーー→副腎皮質ーー→コルチゾール
  ↑     ↑              ||
  |      ーーーーーーーーーーーーーー |
   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

コルチゾールの表示位置が他とは異なっている。コルチゾールは、身体部位または器官ではない。一貫した表示にすると、

 視床⇒[CRH]→脳下垂体⇒[ACTH]→副腎皮質⇒[コルチゾール]
  ↑       ↑                ↓↓
  ↑        ←←←←←←←←←←←←←←←← ↓
   ←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←←← 

 ⇒の左は[]内の物質を出す部位(ここでは器官)。
 []内には、器官から放出される物質名を表示した。
 →、↓、←、↑は、いずれも物質が移動する方向を示す。
 
と、なるだろう。
 すると、さらに、物の運搬または空間移動の仕組みとして、血管系にコルチゾールが放出されて、視床に到達して、作用(または相互作用)
するらしいから、

  [コルチゾール]→血管系

を加えることになる。血管系はコルチゾールを放出るすわけではないが、便宜的にそう見なして、あるいは両側に同一物質名が位置すれば、運搬経路だと解釈することに約束することにすると良いかもしれない。この場合は、⇒ではなく、→を使うことでも区別できる。すると、

 視床⇒[CRH]→脳下垂体⇒[ACTH]→副腎皮質⇒[コルチゾール]
  ↑     ↑                  ↓↓
  ↑      ←[コルチゾール]←←血管系←←←← ↓
   ←←←←←←←[コルチゾール]←←血管系←←←←← 

となる。(しかし、視床から脳下垂体と、脳下垂体から副腎皮質への物質移動も、血管経由か。)
 しかし、メカニズムの説明図としては、⇒と→の仕組みを明示してこそメカニズムの説明図であろう。

 さらに言えば、『ストレス』を明示しなければならない。制御について物質的構造を考えれば、おそらく少なくとも2階の構造となる。そのことを表示するには、入れ子状の図を採用するとしても、必ず制御の記号を加えておかなければならない。


[I]
石浦章一.2004.7.遺伝子が明かす脳と心のからくり:東京大学超人気講義録.羊土社.[y1,680] [B20100825]