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かりんとうの小部屋Z

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生ける屍の結末――「黒子のバスケ」脅迫事件の全真相

2019年02月09日 19時35分40秒 | BOOK
黒子のバスケ事件の犯人、渡邊被告の本。 犯行時の様子から、生い立ち、半生。

渡邊被告というと、逮捕時に連行される際、カメラに 向かって気味の悪い笑顔を向けている姿が印象的で、 それによりただの愉快犯であるようなイメージがある。

しかしこの本を読むとそんなイメージが覆る。 彼は毒親に育てられ、学校ではいじめを受け、何の希望を 抱くことも、努力をすることもできなくなってしまった。

その中でも特に「バスケ」「上智大学」「マンガ」は彼が叶えられなかったものの象徴であり、毀損しなければならないものだったのだ。
(「バスケ」は、小学校時代に部活に誘われたが、入らなかった。また、彼をいじめていたHはバスケ部の花 形だった。「上智大学」は、彼が学歴詐称する際に使った大学。「マンガ」は、彼は2度アニメの専門学 校に通った。)

たまたまその3つを持っていたのが、黒子のバスケの作者藤巻忠俊氏だった。
彼にとって黒子のバスケは、見えない亡霊のようなもの。自分の醜さを浮き彫りにし、人生を迫ってくるものだった。
「消さなければならない」と思っただろう。消さないといつまでも自分を追いかけてきて、自分を「殺そう」とするのだから。
そして彼は犯行に及んだ…。


とても読み応えのある本だと思います。彼は自分の犯罪が威力業務妨害にとどまり、殺人にいたらなったことを「運がよかった」だけだと言っていますが、私はそう思いません。
彼は放火も計画していますが結局やっていないし、毒入りウエハースの件でも人が死なないようにしています。もし渡邊被告が逮捕されず、犯罪が繰り返されても、殺人は起こらなかったのではないでしょうか。彼の中のかすかな良心?がそうさせたのだと信じたいです。そしてそれが秋葉原の加藤被告との決定的な差になっています。願わくば出所後自殺などせず、生きなおしてほしいです。


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