かりんとうの小部屋Z

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デデデデ感想

2024年05月26日 20時56分45秒 | 映画
デデデデ感想
村上春樹は、
「バブル崩壊があって、それから神戸の地震があって、3.11があって、原発の問題があって。それらの試練を通して、僕は、日本がもっと洗練された国家になっていくんだろうと思っていたわけ。でも今は明らかにそれとは正反対の方向に行ってしまっている」
と言っていた。
80年代前後世代はずっと社会の崩壊過程を見せられてきた。私も3.11で、世界は変わるだろうと思ったが、結局何も変わらなかった。むしろ為政者はその凶悪な本心をむきだしにしたし、国民はほぼほぼ他人事。一部が山上哲也のようになったが(そういえば山上も80年生まれだ)、やったところで世界は変わらないかったし、ほとんどの人はそういった行為を冷笑するだけだった。ならば我々にできることはもうないのではないか?「天気の子」も「アリスとテレスのまぼろし工場」も「デデデデ」も、壊れた世界を受け入れて生きる人たちが描かれている。私たちはそうやってできる限り時間稼ぎしながら、それでもささやかな愛を大事にしながら生きていかなければならないのだろうか。「世界の中心で、愛をさけぶ」という小説があったが、今は「壊れた世界の片隅で愛と呪いをささやく」時代なのかな。滅びるなら滅びてしまったほうがいっそ楽なのだがね。
この映画はそんな思いが込められているような気がした。
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