かりんとうの小部屋Z

このブログでは趣味や仕事や生活について、まったりと語っています。

内田樹ブログより抜粋

2014年07月21日 10時42分46秒 | BOOK
日本人の「横並び主義」
そういう話をしているときに、対談に随行していた若い記者が最後に「日本の若者がこれからどう生きたらよいのかについて、一言簡単にまとめをお願いします」と言ってきました。僕はついかっとなって、「それがダメなんだよ」と説教してしまいました。
どうして、簡単に「正解」を求めるのか。誰かが「こうすればいい」と言うと、あたりをきょろきょろ見回してみて、何となく「それでいいんじゃないか」というような雰囲気になれば、一斉に「じゃあ、それで」ということになる。そういう日和見的な態度こそが日本の若者たちを非活動的にしている、という話をしているときに、「日和見主義的な態度から逃れるにはどうしたらよいのですか」と訊いてくる。訊いてどうするです。
メディアそのものがつねに「マジョリティに支持されるソリューションを差し出さなければならない」と思い込んでいる。
ちょっとメディアの人に意地悪して、こう質問しました。「あなたたちの雑誌が若者に提示している典型的なサクセスモデルっていうのは、アメリカに留学して、MBAを取って、外資系の企業に入社し、独立して起業して、財を成す…というものですよね」と尋ねました。彼がうなずいたので、僕は「そういうのを定型と言うのだよ」と申し上げました。
もちろん、そのような生き方をする人もいるでしょう。でも、なぜそんなものをあたかも究極のサクセスモデルであるかのように喧伝するのか。メディアがそのように「成功者とはこういうものである」というふうに生き方のバリエーションを限定すればするほど、若者たちは希望をなくしてゆく。英語ができなくても、親に留学させるだけの資力がなくても、金儲けに興味がなくても、たちまちこのサクセスモデルからは脱落してしまう。メディアがほんとうに日本の若者には元気がないと思っていて、何とか希望を与えたいと思うなら、やるべきことは「これがサクセスモデルだ」という定型を示すことではなくて、「人間、いろいろな生き方があります。十人十色です。みんな自分がほんとうにやりたいことをやりましょう」とアナウンスすることでしょう?
もちろん、若者向けメディアも「いろいろな生き方」を提示してはいます。個性的な生き方をしている人たちを紹介する頁が必ずある。でもね、これが悲しいほど定型的なんです。「脱サラして妻と二人でおしゃれな山荘を経営して、こだわりの料理を出している」というようなのばかり飽きるほど見てきました。どうして定型を脱するときにも、この人たちは定型のままなんだろうと絶望的な気分になることがあります。でも、しかたがない。「これが定型からはずれた、おしゃれで個性的な生き方だ」という雑誌の特集を見て、「おお、これはいいな。オレもやろう」と真似する人が出てくるから、そういうことになる。ドロップアウトの仕方まで定型に従おうとする。ほんとうに個性的な生き方をしている人間は今のメディアには出てきません。メディアのアンテナがそういう人は探り当てられないんです。でも、ほんとうはそういう人たちのはげしく個性的な生き方を見せてあげることが若者たちにとってはいちばんの励みになるんです。「なんだ、こんなふうにしてもいいんだ」と思えると、人間はほっとする。メディアがほんとうに若者の不活動的傾向を何とかしたいと思っているなら、どうすれば若者たちがまわりを気にしておどおど怯えなくて済むように定型から解放してあげることが第一の仕事なんじゃないですか。


キャリアについて

2014年07月21日 10時28分19秒 | 考えたこと
キャリアについて(内田氏のブログより抜粋) 日本の「ガラパゴス化」とか「内向き」というのは、「国際性」という言葉を聞いて、じゃあTOEICのスコアを上げねば、とか他の教科の時間を減らして英語の時間を増やそうとかいう「現状の国際関係のアンフェアネスをまるごと承認してしまう」態度のことです。そこには批評性がかけらもない。今後の国際関係についての見通しもないし、国際社会に向けて特にアナウンスしたいメッセージもない。

「現状の国際関係のアンフェアネスをまるごと承認してしまう」態度のことです。

ここ、資格とか学歴とかにあてはめても言えるよね。

「資格の時代」という言葉を聞いて、じゃあTOEICのスコアを上げねば、とか役にたつ資格を取ろうとか思うことは「現状の社会のアンフェアネスをまるごと承認してしまう」態度のことです。 みたいな。

よくわかるなあ。
日本語教師してると、
「まず資格を取れ」
「取りました」
「資格だけじゃだめだ。語学を学べ」
「はい。じゃ、英語やります・・・。マスターしました」
「英語だけじゃだめだ。もうひとつマスターしろ」
「はい・・・」
「語学だけじゃだめだ。大学院へ行け」
「はい・・・」

こんな感じで資格を取ってキャリアアップすることが奨励されるわけですよ。
でもこれは「アンフェアネスをまるごと承認してしまう態度」そのものなんですよね。
よくないですよ。

じゃあどうするのか、については今考えてますです。

http://blog.tatsuru.com/2012/04/06_1508.php


夏休み 中村航 (集英社文庫) 

2014年07月16日 19時41分06秒 | BOOK
「僕は納期を守った。死守した。そして可能な限り丁寧に仕事をし、 あるいは丁寧に見えるように心を配った。 そうしていると、仕事は定期的に入ってくるようになった。僕がある程度 まっとうな仕事をする、と誰かが評価してくれたのだ」 ←ここすっごく村上春樹っぽい!

表紙詐欺だよぅ。実際はファミコン?メインでした。
読んだけど頭に残らなかった。