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全国一般東京東部労働組合の記録

反貧困の本で障害者差別問題を紹介

2009年08月18日 09時50分48秒 | 障害者

写真=障害者への雇用差別を取り上げた単行本『反貧困の学校2』

社会や会社に問いたい、障害者だからと言って昇給がなくてもいいんでしょうか。2人の子どもを育てているのですが、扶養手当がなくていいのでしょうか(加賀沢さんの発言より)

私たち全国一般東京東部労組の組合員で、大手損害保険会社による障害者差別の是正を求めている加賀沢志のぶさんの問題について、8月に明石書店が刊行した単行本『反貧困の学校2』(宇都宮健児さん、湯浅誠さん編)が取り上げています。

この本は、今年3月に開催された「反貧困フェスタ2009」の内容をもとに構成されています。加賀沢さんはメインのシンポジウム「いま゛はたらく゛が危ない」に当事者として登場しました。障害者であることを理由に、他の人と全く同じ働き方、あるいはそれ以上の働き方をしながら十分な待遇を与えられていない障害者ということで発言しています。

単行本の該当部分を以下に抜粋します。

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一般嘱託というかたちの障害者雇用の立場から

加賀沢 今日はありがとうございます。私は大手損保に一般嘱託という形で18年間勤務してきました。仕事の内容は正社員もしくはそれ以上のものを担ってきたと思います。この18年間昇給はほとんどなく、住宅手当などは一切支給されていません。なぜならば、私が障害者だからです。会社は法定障害者雇用率を上げるため、中途採用の障害者枠を設け、そこに私たちを押し込めて、社員とは著しい待遇の差を強いてきました。いつか会社が変わる、こんなことが社会的に許されるはずはない、そんな思いで耐えてきましたが、いっこうに変わらない会社に愛想を尽かし、昨年退職を申し出ました。会社は秋には登用試験を受けさせると言いました。なぜかというと、私の仕事が群馬県内でただ1人の自賠責担当ということで、他に仕事ができる人がいなかったから。それを正社員に教育するために延ばした形です。その秋に試験を受けて正社員にはなれないと落とされました。「秋には社員になれる」と約束はしていない、と会社は言いますが、ほぼ約束に近かった状態で引き延ばされながら、結局、落とされた時の私の思いとしては、本当に悔しかったです。東部労組に相談し、「こんなことが許されるのか」と相談したところ、一般嘱託だから、障害者だから手当が付かず、昇給が一切ないのはおかしいのではないかということで訴えています。会社は今後、嘱託の制度に関しては是正する約束をしてくれましたが、社員に登用することについては、まだです。社会や会社に問いたい、障害者だからと言って昇給がなくてもいいんでしょうか。2人の子どもを育てているのですが、扶養手当がなくていいのでしょうか。社会に訴え、皆さんのご支援をいただきたいと思います。どうかよろしくお願いします。

須田(全国一般東京東部労組) 今のお話のように、18年間働いている、正社員と同等か、それ以上の仕事と責任を負わされているにもかかわらず、住宅手当や昇給や昇進、賞与にも差別的な扱いをされています。1年契約の反復更新を18年にわたって繰り返されています。それは何故かというと、彼女は4級という障害を負っていますが、その会社では131人のうちの127人が障害者です。法定雇用率を守るために障害者は雇用する、尚かつ正社員と同等に働かせているが、待遇は劣悪です。障害者雇用の現状については、この後「福祉的就労」のテーマで話されると思いますが、企業への就職、入り口の部分で多くの障害者がシャットアウトされています。大きな問題です。また、企業に入り一生懸命働いたとしても、差別的待遇を受けているということで、健常者、正社員との均等待遇を実現することが課題として上がっています。
 もう一点ですが、この方は労働組合に入る際に、正社員や健常者と同じように、というのはわがままなのではないかと何度も私に言ってきました。「障害者であるのに、大企業で働けるだけで満足すべき」--そういう声も聞くと、言ってきました。しかし、そうではないと思います。障害があろうとなかろうと、きちんと労働市場で食べていけるように、雇用を守る必要があると思います。労働組合がその役割を果たしていかなければいけない。弁護士の宇都宮健児先生にも交渉に入っていただき、会社と話しているのでご支援、ご協力をよろしくお願いします。

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1 コメント

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ありがとうございます。 (加賀澤)
2009-08-19 21:04:54
東部労組の皆様

いつもありがとうございます。
優しい皆様や弁護士の先生方に支えていただき、私の問題も少しずつですが、前進しているように思います。

まだまだ、障害者を取り巻く職場環境は厳しく、この先も長い闘いが続くのだと予想されますが…。


少しでも、私と同じハンディを背負った方々が、働くことを楽しいと思えるような社会になることを願っています。
私の問題が、良い方向に解決をし、ハンディのある方に勇気を持っていただけたらと思います。


東部労組の皆様や弁護士の先生、今まで出会った全ての皆様に、感謝の気持ちで一杯です。

今後共、よろしくご指導お願いいたします。

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