東京メトロとメトロコマースは非正規労働者への定年制をなくしてください！

（写真＝今年のメーデー会場で登壇し発言する東部労組メトロコマース支部）

東京メトロとメトロコマースは非正規労働者への定年制をなくしてください！
駅売店の閉鎖（自動販売機化）で販売員の職場を奪わないでください！
東部労組メトロコマース支部　第32回団体交渉報告

東京メトロの地下鉄駅売店「メトロス」で働く非正規労働者の女性たちでつくる全国一般東京東部労組メトロコマース支部は５月９日、直接の雇用主である東京メトロ子会社の株式会社メトロコマースとの第32回団体交渉を東京・上野で行いました。組合側は同支部の後呂委員長ら６人、会社側は土佐取締役ら６人が出席しました。

同支部は今年３月に非正規労働者への65歳定年制に反対するストライキ闘争を行い、５月で雇用打ち切りという会社側の方針を転換させ、瀬沼組合員の継続雇用を勝ち取りました。一方、退職後にたちまち生活苦に陥る非正規労働者（契約社員Ａ・Ｂ）への定年制を廃止する組合要求に対しては、この日の団体交渉でも会社側は頑迷に拒絶する姿勢を崩しませんでした。組合員からは「半年や１年の有期雇用を続けてきた者に定年制を当てはめることがおかしい」「正社員のように昇格昇給も退職金もないのに定年退職だけ同じと言われても納得できない」という怒りの声が相次ぎました。

現在、メトロス店舗には「販売スタッフ（契約社員）大募集」との紙が張り出されています。それには「年齢不問、未経験者大歓迎」と記されています。おかしいではありませんか。低賃金や差別に耐えながら長年の経験を積んできた販売員を単に年齢を理由に退職させておきながら、他方で「年齢不問、未経験者大歓迎」で販売員を迎え入れようとしているのです。会社側は何の説得力もない言い訳に終始しましたが、組合側は引き続き制度を見直すよう迫りました。

また、今回の団体交渉ではメトロス売店が次々と自動販売機（オートメトロス化）になったり撤去されたりしている問題を追及しました。会社側は「不採算売店をなくすことは仕方ない」と言いますが、販売員にとっては職場が奪われると路頭に迷うしかありません。「現状ではオートメトロス化に伴って販売員を解雇したことはない」と会社側は主張しましたが、今後オートメトロス化がいっそう進めば確実に販売員の働く場はなくなります。実際、３年前にメトロコマースの直営売店は88店舗あったにもかかわらず、現在は61店舗に減少しているのです。

売店の減少・消失は労働者の雇用と生活だけではなく、東京メトロの利用客にとっても不都合なものです。駅売店には多様な品揃えや販売員による丁寧な接客をはじめ、日常的な道案内、防犯上の効果、災害時の対応など「採算性」だけでは決して語れない価値があります。カネだけですべてを決めるならば公共交通機関としての責任がないと言わざるを得ません。組合は駅売店の存続を強く訴えていきます。

なお、団体交渉の最後に会社側の出席者が３月のストライキ闘争時に組合が配布したビラの内容やインターネット上に流れている動画などにあれこれと文句をつけてきましたが、すべての組合員が間髪入れず怒りの声をあげました。組合側は話し合いによる解決をずっと求めてきたにもかかわらず、それを無視して瀬沼組合員の雇用を打ち切ろうとしたのは会社側の方です。だからこそ非正規労働者である販売員はストライキ闘争に立ち上がったのです。ただでさえ安い時給からストライキ分の賃金を差し引かれ、次回の契約更新に影響が出るのではという不安を振り払ってストライキを決行したのです。東京メトロとメトロコマースの経営者が労働組合に敵対的な姿勢を取る場合は再び労働争議に入る決意を示して、この日の団体交渉を終わりました。

メトロス売店で働く販売員の皆さん！東部労組メトロコマース支部に団結して雇用と生活を守りましょう！
東京メトロとメトロス売店を利用されている皆さん！駅売店の存続に向けて皆さんの力を貸してください！