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東日本大震災にからんだ労働相談の特徴と傾向

2011年04月21日 12時27分05秒 | 労働相談

(写真:3月27日に実施した「震災がらみ集中労働相談」)

このかんNPO法人労働相談センターに寄せられた東日本大震災に関係した労働相談について、震災発生1ヵ月となる4月11日時点での統計がまとまりました。

統計のグラフについてはこちらをご覧ください。

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1.相談件数
3月11日の震災発生以降、震災関連の相談が寄せられたのは3月15日が初めてであった。
以降、ほぼ毎日相談が寄せられ、震災発生1ヵ月となる4月11日までの相談総数は120件となった。

2.相談者の属性
(1)性別・雇用形態
男性が50.8%、女性は41.7%と、男性の相談者が若干上回っている。
雇用形態では「社員」が47.5%である一方、パート(9.2%)、アルバイト(15.0%)、派遣(16.7%)、契約(3.3%)=非正規労働者からの相談も計44.2%となっており、正規、非正規がほぼ半々となった。雇用が不安定な非正規労働者だけではなく、正社員についても震災に関連した雇用不安が発生していると言える。
 
(2)職種
メールでの相談では職種が明記されていないものも多く、「不明」(41.7%)が若干多くなっている。
その上で、「販売」(スーパー、コンビニ等)が9.2%、「接客」(美容室、ガソリンスタンド等)5.8%、「飲食」(飲食店、レストラン等)3.3%と、「客商売」の職種からの相談が一定の割合となっている。客足の落ち込み等による経営上の理由が即労働者への「痛み」の押しつけとなっている状況がうかがえる。また、「ホテル」からの相談が10.0%と、単独の業種ではもっとも多いことが大きな特徴と言える。
 
なお、「その他」についての内訳は以下の通りとなっている。
・テレビ(撮影) ・公営ギャンブル関係 ・通訳・翻訳 ・テレフォンアポイント ・歯科(衛生士・医院勤務) ・警備 ・畜産 ・運送(ドライバー) 
・旅行会社 ・ビルメン ・コールセンターでの営業 ・パチンコ台整備 
・学習塾講師 ・ビデオ制作 ・事務 ・電気工事/家電配送
※「テレフォンアポイント」「歯科(衛生士・医院勤務)」「通訳・翻訳」については複数の労働者からの相談があった。

(3)職場の所在地
やはり「不明」(36.7%)が若干多くなっているが、以下の特徴と傾向が認められる。
「被災地」(岩手・宮城・福島)からの相談は6.7%と、比較的少ない。一方で、「都内」からの相談が多く(24.2%)、これに「千葉」(5.8%)、「神奈川」(7.5%)、「埼玉」(1.7%)を加えると、その割合は39.2%となり、震災の被害を直接的にはほぼ受けていない首都圏からの相談が多く、震災「便乗」とも言える状況もあることが分かる。

3.相談形態
電話での相談(66.7%)がメールでの相談(30.0%)を大きく上回った。
メールでの相談への回答には数日かかるが、電話での相談はその場でアドバイスが得られる。このことから、緊急性を有する、切迫した相談に対し、即応を求める相談者が多かったと思われる。

4.相談内容
「賃金」が40.8%と、多数を占めた。休業補償に関する相談も「賃金」にカテゴライズしているため、この数字になっていると思われる。実際、休業補償に関する相談も多く寄せられている。次いで「解雇・会社都合の退職」が36.7%となっている。
相談者の職場所在地が首都圏に多かったことを併せ考えると、震災による影響に対し、経営者として努力を尽くすことなく、それを労働者に直接押しつけている、という現状もあることが分かる。

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相談内容の詳細については、「震災がらみ労働相談事例」をご参照ください。
 3月分http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/17e5d4c3d66ffe81aa0ce98cc6355397
 4月分http://blog.goo.ne.jp/19681226_001/e/d8ce7836c6d864ca827f40e36fe6ce82

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