筆の持ち方には色々な方法があります。
人指し指と親指で筆を持つ『単鉤法』
人指し中指を表に、裏側から親指で持つ
『双鉤法』
人指し、中指、薬指を表に、裏側から持つ方法や、親指以外の指を全て表側に出し、指の爪に近いところで持つ方法や、筆の軸を握る方法、軸の最上部をつまんで持つ方法など、色々あるのです。
書きたいものに一番適している方法を選べば良いのですが、それは筆の持ち方の基本ができている方の場合です。
筆の持ち方の基本とはどのような事なのでしょうか?
それは、筆を自在に操って、書きたい線質を書ける持ち方、という事になります。
一般的には、『単鉤法』と『双鉤法』のどちらかを基本の持ち方として身につけておくべきだと考えます。
単鉤法は鉛筆の持ち方と似ているので、初心者は筆を傾けてしまいがちなので、和翠塾では双鉤法を基本の持ち方として教えています。
筆を立てて筆先の柔軟性を利用して書くことが身につけば、単鉤法にして筆を倒して書くことは容易にできます。
もちろん、その他の持ち方で書くことも容易にできるようになります。
筆を立てて書く点では、親指以外の指を立てて持つ方法も有効ですし、筆を立てて書くことを身につけるために導入しているお教室もあると聞きます。
私も、どうしても筆を立てて書けない方に、その方法で書いていただくことはありますが、筆を立てて書く感覚をつかんだら、双鉤法に戻してお稽古してもらう事にしています。
双鉤法を身につければ、ほかの持ち方はすぐにマスターできますからね。
最近では子供に教える機会も多くなってきたのですが、どうしても筆を立てて書けない子供もいます。
一枚だけ親指以外の指を立てて持って書いてもらい、筆を立てて書いた時の線質の美しさをつかんでもらうようにしたいと考えています。
もちろん、大人の方にも、です。