指先が器用な人は筆を上手く操る事に長けている事は間違いない。
しかしそれが通用するのは、書写や習字どまりだ。
その先にある書道になると、初めて壁にぶち当たる事になる。
その点、手先がそれほど器用でない人は、書写や習字の段階から何度も壁にぶち当たり、その都度乗り越えてきているので身についた書技には応用性とその人にとっての必然的な書技がある。
壁にぶち当たった手先が器用な人はその壁を乗り越える事に苦労する事になる。
なんでも書けると思っていたのに、実は何も書けない事を思い知る。
それは自分で編み出した書技では無く、誰かの真似だった事に気づけば先に進めるけれど、そこに気が付かないと諦めてしまう人も多い。
それでも良き指導者の助言があれば、乗り越えるだろう。
『姿勢を正してひたすら書け』
『調子の悪い時こそ稽古すれば伸びるチャンス』
こんな助言があれば、手先が器用な者もそうでない者も、迷わず書道の道に進んでいけるだろう。