検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

住宅に使う木材の量と価格  連載小説129

2012年10月16日 | 第2部-小説
 公平「冨田さん、占部町の町おこしプランは林業振興ですよね」
将太「占部町の基幹産業は昔も今も林業だと思いますよ」
公平「わたしもそう思います。40年、50年前、わたしの祖父や両親たちが一生懸命植えた木がいま伐採の時期にきている。だが余り安値で売れば赤字。だが建売住宅の価格を見ていると80平米程度で2500万円前後、一時期と比べると価格は下がっていますが80平米の住宅に使う木材はどの程度だと思いますか」
将太「わたしもその計算をしました」
公平「そうでしたか」
将太「わたしが調べたところでは柱換算で90本でした。これを立ち木に換算すると30本です」

 公平「木造本建築の平均はそのようです。これを現在の原木売値で見ると24万円です。2500万円する家の土台と骨格になる木材の原価は24万円。この値段を国民は知っているんでしょうか」
 公平は憤りを露にして冨田に詰め寄るようにいった。
将太「24万円というのは産地の木材市場価格だと思います。材木店や工務店がここで丸太状態の木を買い、製材加工する。その運搬費や加工費を加えても建売住宅の価格にしめる用材価格は低い」
公平「知り合いに工務店がいます。そいつから聞くと大工の1日日当は2万円もない。交通費、昼食自分持ちでその値段。それに比べ、工業製品はすごい。工務店の知人に聞くと玄関ドア一枚60万~100万円です。上はいくらでもあるという世界です。50万円出すからヒノキで作ってくれといえば大変なものができます。ウォッシュレット・トイレの便座セット、12万円から16万円です。2セットで家1軒分の木材より高い」
 この話は将太が公平と「町おこしプラン」を練ったとき、公平から聞いた話であったが公平は今、初めて話するように将太にいった。よほど腹に据えかねているのだと思った。


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