検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

放談の中に核心  連載小説130

2012年10月17日 | 第2部-小説
 将太「大平さん、あなたの気持ちは分かるが腹を立てているだけじゃしょうがない」
公平「それは分かりますよ。ただ現状をきちんとみなければ」
将太「確かに、材木価格がどうなっているか多くの人は知らないからね」
公平「家を建てる時も関心があるのは総額であって、材木価格まで見る人はいない」
将太「ただ、林業がここまで地盤沈下すると立て直すのはやはり大変だと思う」
公平「そんなこといったら占部町の町おこし、お先真っ暗じゃないですか」
将太「簡単じゃないことをよく理解してあたる。その場合、大切なことはあせらない。結果を性急に求めないことだと思う。林業不況は40年以上続いている。何かすれば一気に変わることはあり得ない。落ち込んだ歳月と同じ歳月をかけて立て直す」

公平「町おこしプランは『林業を町の基幹産業と位置づけ、林業活性化の計画を持つ』としました」
将太「これまでは計画を持ってなかったからね」
公平「松本課長などはがんばっている」
将太「しかし町民は知らない。それじゃだめだ」
公平「・・・・・・・・・」
将太「ひそかな計画では、まわりからのチェツクがない。追求を恐れている」
公平「手厳しいですね」
将太「松本さんは占部町をなんとかしたいという気持ちを強く持っています。それは本当に感じる。だがなんとしてもやる本気度がない。がむしゃらにやっているとは見えない」
 少し前は公平が材木の余りに低い価格に怒っていたが今度は、将太も酒がすすんで口が軽くなり、あるいは公平に刺激されて松本課長批判を始めた。酒の中での話に意外と本音や問題の核心をつく話がでることがある。この夜、2人の話はそうだった。


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