検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

山古志の復興住宅

2013年10月03日 | 栄村の今
 道路はきれいに整備され、がけ崩れ、土石流で崩落した斜面の傷跡はなく、美しい風景が広がっていました。集落のあちこちに養鯉池・イケスが点在していました。闘牛も復活し、定期的に開催していました。

 集落の食堂に入りました。「ここの店は美味しいんだ」といいながら5、6人が入ってきました。てんぷら定食を頼んだ人のテーブルに運ばれた天ぷらの盛りに驚きました。10点はあろうかと思う天ぷらが山盛り。注文した人も「えっ」と驚きの声をあげる量。その天ぷら単品で頼むと500円。

 私は山古志牛の牛丼(700円)を注文。山古志米と山古志牛、食べると牛の味が濃厚。全国チェーンの牛丼店とは雲泥の違いでした。店は比較的、最近できた様子で経営しているのはどうも主婦グループのように思いました。(店の人たちは忙しくしていたので聞くことも遠慮した)
 下の住宅が山古志で出会った「中山間地型復興住宅」と呼ばれる「復興住宅」。つぎのような理念のものに建設されました。 
 集落毎に分散整備した災害公営住宅
1) 山古志らしい住まい:地域の伝統的民家「中門造り」の特徴である腰の高い下見板張り・深い軒・妻面の木組の意匠を継承した外観デザイン、冬は吹抜けを通して高窓から光を取り入れる明るい住まい、夏は風通しの良い住まい
2) 雪と上手に付き合う住まい:豪雪(積雪3 m)に対応できる自然落雪屋根、雪を南に落とさない南北軸の切妻屋根、十分な軒高・軒の出の確保
3) 地域循環型の住まい:土台を除く全ての構造材・造作材・羽柄材・合板に地元の越後杉一等材を活用、地域の大工技術の活用
4) コスト負担を軽減する住まい:材料・設備の共通化・共同購入、地域の住宅生産者・建材メーカーの協力、内装未完成による建設費の低減(早く安く住宅を建て、住みながら仕上げ・住戸内増築)
5) 安全で快適に長く住み続けられる住まい:高断熱、高耐震、高耐久、維持管理への配慮、バリアフリー

 建てられたのはモデル住宅2 戸、自立再建住宅19戸、公営住宅36 戸の計57戸。写真の住宅は1棟2戸住宅。
 東北大震災で大きな被害を受けた人たち。福島県だけでも15万人を超える人がいまだに避難生活を強いられています。栄村と山古志のような家。さらに住む人の希望に沿った家が建てられる。そうなって欲しいと願います。

 それにしても9月26日の朝日記事、経済産業省の官僚(51歳)がブログで「復興は不要、もともと過疎」を繰り返し発信していたのには唖然としました。
 以下ブログ書き込みの要点

「もともと、ほぼ滅んでいた東北のリアス式の過疎地で定年どころか、年金支給年齢をとつくに超えたじじいとばあばぁが・・・・(中略)・・・・。復興は不要だと正論を言わない政治家は死ねばいいのにと思う」

 これは「棄民」です。中央官庁の官僚がこんな発言を執拗に繰り返したのは、省内にそうした思想が下地にあるからです。東北の復興はなかなかすすまないのも「そうか!」という思いです。

 だが、さらに深刻で大変なことになっている人たちがいます。福島第一原発事故で住まいを追われた人たちです。その福島の現状を次回お知らせします。


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