検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

日本の電気事業、供給予備力

2013年09月21日 | 検証・電力システム
 前号で触れた「地域間連系線」は万一の事故で電源喪失(発電所が発電できなくなるなど)した時、他社から電力を融通してもらうためです。この連係線は電力の安定供給を確保するための仕組みですがもう1つ、安定供給を確保するために備えている取り組みに「供給予備力」というものがあります。
 下記表は全国大の電力供給力と供給予備力です。この資料は電気事業法に基づいて電力10社から提出された「電力供給計画」からまとめた資料です。 
 はじめに表の説明をします。
「需要電力量」とは、その年の年間電力消費(需要)量です。単位はkwhです。
「最大需要電力」とは、ピーク需要電力量です。この表では年間を通じてもっとも電力消費が多かった電力量を示しています。

 「供給力」とは、電力10社が所有している発電施設の発電能力(出力)をあらわしています。供給力を超える電力は生産できません。ですからピーク需要は常に電力会社の所有する発電施設の「供給力」以内です。「供給力」を超えた発電はできません。
 「予備力」は「ピーク需要」と「供給力」の関係で決まる数値です。計算式は「供給力」から「最大需要電力・ピーク需要」を差し引いて算出した割合です。

 ご紹介した表で見ると、平成20年度の供給予備率は10.2%、平成21年度は26%、平成22年度(計画)は14.4%となっています。

 「予備率」は「ゆとり」です。万一、なんらかの事故で発電が停止した場合、「予備力」でその穴埋めをします。国は指導基準として最低でも3%、平常時は8%~10%の予備率(ゆとり)を確保することとしています。すなわちこれはピーク需要を上回る「発電施設を持て」ということです。

 平成21年度の予備率は26%ですから、これは国指導基準を大幅に上回っています。発電余力があるということです。平成22年度(計画)の予備率が下がったのは最大需要電力(ピーク需要)を多く見積もり、「供給力」を少なく見積もったためです。供給力が下がる要因としては定期検査などがあります。
 原子力発電が実質ゼロとなって、電力各社の「供給力」はどうなっているのかをみます。次回

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