検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

町おこし隊5―話し合は発展して-連載小説32

2012年06月22日 | 第2部-小説
京香の工房に集う参加者も仲間という気楽さがあって普段は聞けないこと、思っていることをここぞとばかり聞く。
  木下は質問にていねいに答えた。だがその内容は「町だより」や「議会報告」で広報している範囲であった。その範囲であれば地方公務員法34条が規定する公務で知りえた秘密を守る義務に触れる心配はなからだ。

「町だより」は毎月発行し、「議会報告」は定例議会が開かれたとき発行していた。木下は毎回、バインダに綴じて丹念に読んでいるのでイノシシが今年はどこに出たとか、その顛末もよく知っている。急病人が出て入院先が決まらず大変だったことや国保税がどういう計算式で決まるのかとか国保会計がどうなっているかなどスラスラと説明した。どれもみな「町だより」「議会報告」に載っていることばかりだが、参加者は「よくわかった」と喜んだ。
  木下は「今いったことは全部『町だより』などに書いてあることばっかりですよ。たまには読んでくださいね。一生懸命書いているんですから」というのが毎回だった。

 何回か話し合っているうちに、話は町をなんとか活性化できないか。このままじゃさびれる一方だ。何か考えられないかとなり、町の歴史を勉強しょうということになっているのがいまの状態だという。
ただ、これまでの話し合いで町は大変なことになっていることがわかったと京香はいう。

  そのとき公平が「役場の知り合いに資料を頼んであるので明日、もらいに行きましょう」と将太にいった。
 公平の知り合いは総務課長だった。