検証・電力システムに関する改革方針

「自然エネルギーですべての電力をまかなう町」の第2部です。

町おこし隊3 メンバー 連載小説30

2012年06月20日 | 第2部-小説
  「メンバーはどういう方ですか」
 将太は記者が取材するように質問した。人と話をするときの肝要は自分がききたい事を聞き出すためには工夫が必要である。相手が話すことをそのまま聞いていてはあちこちに脱線する人がいる。ただ質問が過ぎると自分がイメージした方向にもっていってしまい、その人の真意をつかむことができない。しかし5W2Hは押えなければいけない。

 居酒屋、製材工場の二代目、キノコ生産者、木工加工所、農家が3人、この3人はいずれも自主ルートで米を販売している。猟師、スローライフで定年後移住してきた3人、一人は大手企業のエンジュニア、一人は元薬局経営者、退職後ふるさとに戻ってきた人だ。二人は野菜を自家栽培し絵を描いている。活動に積極的である。これに京香のところで働いている仲間1人、役場の職員と女性の介護士が参加している。

 メンバーは京香の幼馴染であったり、京香の「占部和紙工房」を見学におとずれたのが縁で親しくなった人たちである。気楽な世間話をしていたが話題はたいがい町内のことだった。今年は雨が多いだの昨日は風が強かったとか大豆の刈入れ時の雨は困るたぐいからガソリン代が高くなって大変だ。役場のだれそれが退職したとかどこそこのじいちゃんが寝込んで家族が難儀しているとか町一軒の八百屋兼果物屋がついに店を閉めたとか最近の若い娘の服装がずいぶん変わったなどなどとりとめもない話だったがそれがみんな楽しかった。

 昔は喫茶店もあったがとうの昔になくなり、気楽に立ち寄るところがなかった。地域振興センターや会所はあるがそれは決まった議題で決まったことを話し合う場だからのんびりくつろげない。だが人は気楽に話し合える場を求め、町の情報を知りたいと内心、欲望に近いほど渇望していた。
「わたしのところにこない。お茶でも飲みながらだべりましょうよ」
 京香のひと声に喜んで集まった。


5W2Hとは:(いつWhen、どこでWhere、誰がWho、何をWhat、どうするHow、なぜ?Why、いくらでHow Much)