カレーイライス を作る前に、絵に描いて見ました。
毎日の食卓に載る料理の中で、『タマネギ・ジャガイモ・ニンジン』等が多いと思います。 そこでそれぞれの野菜のルーツを辿って見ました。
※ 食材としての野菜のルーツなどについて ※
ジャガイモ
○ ジャガイモの原産地は、南アメリカのアンデス山脈から北はメキシコに至る3000~4000m級の高地とされています。 アンデス高原にはインカ文明につながるいくつかの文明が存在しましたが、その食生活を支えたのが同じく南米原産の トウモロコシとジャガイモでした。 当時のじゃがいもは原種に近いものでしたので、アク抜きして粉にしたり、乾燥したものを水に戻して食用としていたようです。
○ 16世紀末にスペイン人がヨーロッパにじゃがいもを持ち帰りましたが、当初は食料としてではなく、 花として フランスの宮殿で栽培されていたのは有名な話です。 その後、冷涼な気候でも丈夫に育ち「土中に実る」ことからヨーロッパ全土に広がり、オランダなどの海外進出とともに世界各国に伝播しました。 そして18世紀後半には麦類、イネ、大豆などと並ぶ主要な作物となったのです。
○ 我が国には、約400年前の慶長年間(1600年前後)にインドネシアのジャカルタを拠点にしていたオランダ人が長崎に入れたと言われています。 そのため、じゃがいもの名前も「ジャガタラ」に由来しています。 日本では、飢饉の時の救荒作物として広まったのですが、じゃがいもは、寒高冷地に普及していきました。
○ その後、明治時代になって北海道開拓が大々的に始まると、外国品種の導入や新品種の育成なども始まり、生産性も向上して全国的に栽培されるようになりました。 この時期、最も早くに海外から導入されたのが男爵薯です。 函館ドックの専務理事であった川田竜吉という人がアメリカ生まれの品種をイギリスから導入したのですが、これがアイリッシュ・コブラーという品種で、彼が爵位を持っていたためにこの名前で呼ばれています。
この品種は食味と貯蔵性に優れ、作りやすいので全国的に広がりました。現在でも、メークインと並んで、我が国の代表品種となっています。
玉ネギ
○ タマネギは、現存する最古の栽培植物の一つとされる。 狩猟採集社会から農耕社会へ移行するに伴い、人類が野生のものを畑で栽培し、生長が早く鱗茎が大きい苗を交配するうちに、現在栽培されている大きくて甘い鱗茎を持つタマネギに近いものになっていったと考えられている。
○ 原産は中央アジアとされるが、野生種は発見されていない。 原産地はペルシア(イラン)やベルチスタン辺りといわれるが、はっきりしていない。 中央アジアから商人によって中東に持ち込まれ、そこから世界中に一気に広まっていった。 栽培の歴史は古く、世界的には、紀元前1600年頃の古代には、既に料理レシピなどにタマネギの記述があるようです。
○ 我が国では、江戸時代まで外国との交流を厳しく制限(鎖国)したことから、中央アジアとヨーロッパが品種のタマネギは、19世紀後半まで一般的な食材にはならなかった。 江戸時代末期に長崎に伝わったが、観賞用に留まった。 食用としては、1871年(明治4年)に北海道の札幌で試験栽培されたのが最初とされる。 明治時代以降、西洋料理の人気の高まりを追い風に、日本の気候にも適していたタマネギは人気が出て生産高も増えて来ました。
ニンジン
○ ニンジンは中央アジアの原産で、西洋系ニンジンの原産地は小アジア、東洋系ニンジンの原産地は中央アジアともいわれている。 原産地のアフガニスタン周辺で東西に分岐したともいわれ、世界各地に伝播した。 西洋系ニンジンは15世紀ごろまでにヨーロッパに広まり、オランダやフランスを通り、イギリスへと西方へ伝来しながら改良が行われた。 東洋系ニンジンは、10世紀ごろにはすでに中国に伝わっていたとみられる。
○ 日本には16 ~ 17世紀頃に中国から伝わり、短い期間で全国に広まった。 江戸時代の書物に「菜園に欠くべからず」とある。 日本で江戸時代に栽培されていた品種は東洋系が主流だったが、江戸時代後期に西洋系ニンジンが伝わり、明治期に入ると欧米品種が次々と導入されるようになった。 戦後は西洋系ジャガイモの品種が主流になっている。