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皆殺しの思想の蔓延

2017-04-22 11:59:27 | 時事問題
       皆殺し思想の蔓延 
The Thought of Massacre Prevailing
                                 永井津記夫

 「皆殺しの思想」が蔓延している。が、識者を含めて、疑問を呈する人は皆無という状況である。皆殺しの思想は人間に適用されると恐ろしいもの、大問題となるものであるが、これが、病原菌や害虫や植物に対するものだと、“皆殺しの思想”であるという認識がなく、当然のことのように受け入れている。
 肺結核にかかった。体内の結核菌を全滅させるために抗生物質を使う。赤痢にかかった。赤痢菌に対して抗生物質を使う。使わなければこちらが死んでしまうので、人間の立場からは正当防衛で当然の行為である。しかし、結核菌や赤痢菌にとっては、抗生物質は自分たちを絶滅させようとする大量破壊兵器である。からくも、絶滅をまぬかれたものが、耐性を獲得してそれを子孫に伝えて生き残りを図る。
結核は戦前は最も恐ろしい死病であったが、抗生物質のストレプトマイシンの登場によって治療によって治る病気になった。が、この抗生物質の乱用によって、スーパー結核菌(超多耐性結核菌)と呼ばれる“怪物”病原菌が生みだされた。どんな薬も効かない恐ろしい結核菌である。この結核菌が蔓延すれば人類は滅亡するかもしれないと言われている。この怪物は自然に生まれてきたものではない。人間がつくり出したものなのだ。
 ちょとした風邪をひく。有効でもないのに(風邪に効く薬はないと言われている)抗生物質を大量に使う。ちょとした下痢になる。抗生物質を使う。必要以上に抗生物質を使うことによって、絶滅をまぬかれた細菌は耐性を獲得し強くなる。
 スーパー結核菌のような怪物は、「人間を殺すバイ菌などこの世から消え去ればよい」という人間側の発想、つまり、「皆殺しの思想」から生みだされたのである。しかし、結核菌にしてみれば、生命体としての基本的な意志、なんとか命をつないで生き延びようとする強固な意志はもっている。人間の抗生物質等の各種の薬による“殲滅作戦”を切り抜けた固体は、薬に対して「超多耐性」を身につけるのである。これは人間が各種の細菌やウィルスに対して免疫力を獲得するのと同じことである。バイ菌も人間も生命体として生き延びて子孫を残そうとする強固な意志を持っているのである。
 生命体は自分の生存をおびやかすあらゆる攻撃から生き延びて、それらの攻撃をかわす能力を獲得して子孫に伝えて種として生き延びていくのである。しかも、異種の細菌間であっても、混ざり合えば他の菌が持つ耐性を受け継げることが判明している。つまり、異種の細菌間の情報交換である。彼らもバカではない。
 人類が細菌やウイルスに対して絶滅作戦を展開することは、スーパー結核菌のような怪物を生みだし、人類を破滅させることにつながりかねないのではないか。たしかに、人間を死にいたらしめる病原菌を駆除する、つまり、殺すことは人間にとって正当な行為であることは(人間の立場から見れば)疑いのないことである。が、それは駆除される病原菌の“立場からは”、容認できることではなく、生き残り作戦を展開するのは当然の行為である。スーパー結核菌は生き残るために生まれてきた結核菌の中のヒーローなのである。
 米国がベトナム戦争のときに使用した「枯れ葉剤」やそれと同様の性質を持つ「除草剤」や「農薬」、また、“害虫”に対する「殺虫剤」なども「皆殺し思想」から生みだされてきたものであろう。「じゃまもの(森林、雑草、害虫)は始末しろ」という発想である。
 “雑草”や“害虫”という考えは、人間の立場からの発想、命名であり、彼らから見れば人間ほど恐ろしい“害獣”、虐殺者はいないであろう。
 私も人間の一員であり、人間に害をなす“害虫”や“雑草”の駆除を否定はしないが、しかし、駆除するために「皆殺しの思想」を持ち込むと、逆に人類を破滅させる方向にすすませるのではないかという怖れを私は抱いている。
 除草剤や農薬や殺虫剤の大量使用は環境ホルモン(内分泌攪乱物質)生み出し、人類(他の動物も含めて)の生殖器官にダメージを与え、種の存続をおびやかすと言われている。これは現実に今起こっている問題である。しかし、それだけではなく、とんでもない“怪物”植物や昆虫をつくり出す可能性も皆無とは言えない。 “怪物”植物が登場するとすれば、たとえば、人類の生存をおびやかす有害な花粉などを空中にまき散らすのかもしれない。
 皆殺し思想をもって人類に害をなす生物に対処することは、人類の滅亡、つまり、人類の皆殺しにつながる可能性を高めることになるのではないだろうか。目には目を、歯には歯をの報復のサイクルが働くということである。
 人間は病気になったときに、病原菌によるものなら、その病原菌を駆除することは必要である。病原菌は殺さなければならない。蚊やアリなども必要に応じて駆除することは必要である。生命を絶対に害さないというような生活を送ることは不可能である。
 しかし、伝染病を運ぶ蚊や食品に害を与えるアリを皆殺しにすることは不可能であるし、もし、皆殺しにする薬が開発されたら、それはまちがいなく、結果として人類をも絶滅させるものとなる可能性が高い。
 核兵器や化学兵器は大量破壊兵器と呼ばれているが、疑いなく、「皆殺しの思想」にもとづく兵器である。戦闘員だけではなく、一般市民、女性、子ども、家畜などの人間以外の生物も含めてすべて殺戮する兵器である。が、これらのみが「皆殺しの思想」にもとづくものではないのだ。私たちのまわりの「薬品」や「農薬」には“皆殺しの思想”につながるものがあり、一歩まちがえば、人類の首をしめるものとなる。
 核兵器や化学兵器のみならず薬品や農薬を含めて、「皆殺しの思想」から脱却することが、人類を一段階高いレベルに引き上げて、人類の滅亡を阻止し、生き延びる道であると確信する。     (2017年4月22日記)


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