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水禁煙法

2023-01-24 23:15:36 | 健康問題

水禁煙法

7日間“タバコ吸い(飲み)放題”で禁煙に成功する方法

 

永井津記夫(ツイッター:https://twitter.com/eternalitywell)

 

  「タバコ吸い放題」といっても条件があります。“水”禁煙法というタイトルからもわかるように、水も同時に飲む禁煙法です。

 水禁煙法ではタバコを1本吸いたくなったらかならずそのあとに水をコップ一杯分飲むという禁煙法なのです。

 私は四十数年前に“水禁煙法”という、私にとっては何回もチャレンジして失敗しているいくつかの禁煙法の中で初めて完全に禁煙に成功する“禁煙法”に出会いました。

 この禁煙法はいたって簡単な禁煙法でやりかたを誠実に実行すればタバコを1本飲むのが本当にいやになる、ためらう“禁煙法”です。

  私は結婚後、30歳の時に妻が妊娠し、子供が生まれる数ヶ月前に禁煙を開始しました。大学に入学してまだ二十歳になる前から私はタバコを吸うようになっていました。当時、周りの親兄弟や親せきの男たちはほぼ皆タバコを吸っており、私も二十代の半ばにはタバコを1日20本は軽く超えて飲むようになっていました。そして、3回か4回、禁煙に挑戦し長い場合には3ヶ月ほどタバコを1本も吸わない状況をつくりだすことに成功し、禁煙は成功するかに見えたのですが、友人から「1本くらい今日は飲めよ」とすすめられて、その後なし崩し的に禁煙の牙城くずれたということがありました。

 この数度の禁煙の失敗を活かし、禁煙を実行し、タバコを1本も吸わない状況を崩すことが起こっても、その後、再びタバコを1本も吸わない状況にもどる、ということにしました。

 “水禁煙法”――タバコを1本吸うごとに水をコップ一杯(約180cc)飲む。5本もタバコを吸うと、5杯のコップの水を飲むことになり、かなり、抵抗感が出てきます。6本目のタバコは吸いたいけれども6杯目の水は飲むのに非常な抵抗感が出てきます。

 無理をして嫌な水を飲んで〝好きなタバコ〟を吸うか、嫌な水を飲まずにおくために、タバコも飲まない状況をつくるか、このせめぎ合いになります。

 水コップ7杯目を飲んでタバコの7本目を吸う、水コップ8杯目を飲んでタバコの8本目を吸うことは大きな苦痛になります。ビール10杯ならビール好きの人なら平気かもしれませんが、水をコップ10杯飲むのはかなり苦痛です。

 水禁煙法は、タバコを吸いたくなると〝イヤな水を飲む(飲まなければならない)〟というトラウマを喫煙者に植え付けることによって7日間ほどで禁煙を成功に導く〝禁煙法〟です。この禁煙法に成功することは決心さえすれば比較的簡単です。

 が、成功を永続させる方法をプラスする必要があります。それは、先に少し述べましたが、友達や親兄弟がタバコを吸う状況の中で(今はこの状況は激減していると思いますが)たとえ、1本のタバコをその時に吸ったとしても、その次の日からはタバコを吸わない状況を継続するということです(つまり、禁煙を続けていても、1年に1回や2回はタバコを吸ってもよいというようにしておけばよいのです)。これを実行すれば、禁煙状態は永続します。(※その他の“良い事”の実行でも、毎日続けることを絶対の条件にして、1日でも中断すると失敗としてその良い事を継続しない人が多数いますが、1年のうち、1回や2回休んだとしても継続することの方がが大切なことはたくさんあります。)

  私がこの水禁煙法を実行し成功していた時期に、テレビで米国の禁煙法を紹介していました。それは「タバコを10日間でやめるセミナー」というような題が付いていたように思います。このセミナーの合宿に参加した人はほぼ100% 10日間でタバコをやめることができる、というわけです。セミナー参加者は10日間自由に行動していいのですが、タバコが吸いたくなると所定の場所に座り、タバコを所定の場所からタバコを1本受け取ります。ただ、所定の場所に座り指でタバコを取ろうとタバコに触ると指から電気ショックが生じるようにタバコの受け取り装置に工夫が施されています。

 タバコを吸いたいセミナー参加者は最初はかなりの電気ショックに耐えながらタバコを吸い続けます。この電気ショックは危険ではありませんが、触ると「バチッ」という音がしてかなり衝撃があるように見えました。この衝撃に耐えて、タバコを10本も20本も吸い続け入る人がいるのだろうか、とその時の映像を見て感じたものです。

 この“電気ショック禁煙法”も水禁煙法と同様に電気ショックで喫煙者に喫煙のトラウマを生じさせ、禁煙に導く方法ですが、水禁煙法よりも数段過激な米国流の禁煙法と言えるでしょう。

 

  水禁煙法は現在、雑誌等では見かけないようですが、非常に有効な禁煙法であると思いますのでここに紹介しておきます。 (2023年1月24日記)

 

この「水禁煙法」のやり方は、1日に20個も30個も食べてしまうような“お菓子”などの嗜好品、たとえば、チョコレートなどに対しても有効だと考えられます。チョコレートの食べ過ぎで太りすぎの人がいましたが、チョコレートを1個食べるたびに水をコップ一杯飲む、という“水禁チョコ法“を実践すれば、際限なくチョコレートに手を出し、チョコレート“中毒”になっているような人には“水禁煙法”のやり方は有効だと思います。(2023年1月30日追記)


日本国民の利益とは何か

2023-01-13 10:51:24 | 時事問題

日本国民の利益とは何か

永井津記夫(ツイッター:https://twitter.com/eternalitywell)

 

 私はユーチューブ動画のコメント欄に時どき投稿をする場合があります。最近、ある政治系ユーチューブ動画のコメント欄に投稿し、

日本国民の利益(安全・名誉・幸福・平和)に反する言動をとる国会議員などは排除しなければならない、という趣旨の投稿をすると、一人の読者から、

  国民の利益に反する行動をする国会議員を排除したら今の国会の議員数はほぼゼロになりますよ、という返信が来ました。

  私はこの返信を見て、少し驚きましたが、そのように思われても仕方のない国会議員が与野党を問わず満ち溢れていることは否定のできない事実です。

  国会議員が第一に目指さなければならないものは“国民の幸せである”と思うのですが、そうではなく、自分の利益(選挙での当選、金儲け、議員の地位確保による生計の維持、選挙や政治活動での支援者の利益)しか頭にないような議員が多数おり、そのような議員がますます増えているように思えてなりません。

 自分のまわりの支援者(=有権者=日本人)の利益を図ることは他の大多数の利益にならない場合が多いのでよくないことですが、これが外国人や外国の利益を図り、日本と日本国民の利益に反することを平気でするようになると、もはや日本国民から選ばれる国会議員の資格がないということになります。しかし、この外国の利益に沿って言動する国会議員や政党は日本では与野党に関係なく、多数存在しているのではないでしょうか。

 「“(日本)国民の利益”とは何か?」ということなど一度も考えたことのない議員、政治家が多数おり、それと同様に「国民の利益」を無視する官僚群が存在するようにも思います。教育界や経済界やマスコミ界も「国民の利益とは何か」ということを考える回路がないように思われます。

 国民の利益・幸せとは何か、を考え行動する哲学や宗教心の欠如した政治家が大多数を占めているのと同様に、マスコミ界や経済界にも金儲け(自社の生残り)第一主義で、日本国民の利益、安全を損なう言動をとる企業が多数存在します。

  思い返せば、私は戦後に太平洋戦争でインドのインパール作戦に参加した父が帰国した後に生まれて戦後教育を受けて育ったのですが、私を教えてくれた先生たちは男性の場合は私の父と同世代で戦争に参加した人が大部分だと思われますが、中学、高校、大学と教師の戦争に対する見解、意見は聞いたことはなく、“日本国民の利益”とは何かといことに対してその意見を聞いたことはありません。戦後、米国・GHQによる政界、経済界、マスコミ界、教育界に対する粛清と統制と脅しが行き渡り、WGIP(戦争犯罪意識埋込計略)により、日本人の大多数が洗脳されたことにより、政界から教育界まで“日本国民の利益”をきちんと捉えることができなくなっているように思います。

  私は日本国民の利益とは、

     (日本国民の) 安全・名誉・幸福・平和

である、とツイッターなどで言ってきました。これはだれかの言っていることの受売りではなく私自身がよく考えたすえ列挙した項目です。「平和」とは正確にいえば「日本と世界の平和」です。世界の平和なくして、日本の平和はないからです。それと「安全」が一番に来ていますが、これは「日本国民の安全」なくして、その他の日本国民の利益は成り立たないからです。

  日本国民の安全を考えない、国防意識の欠如した政党や、政治家に未来はないし、日本国民の利益を害するマスコミや企業には滅亡だけが待っているはずです。

 米国のトランプ大統領は2021年1月に退任したあと、“The Office of Donald J. Trump”を立ち上げ、その冒頭の挨拶文の中に、次のような文があります。

Through this office, President Trump will remain a tireless champion for the hardworking men and women of our great country – and for their right to live in safety, dignity, prosperity, and peace.

このオフィスを通じて、トランプ大統領は疲れを知らぬ(戦闘の)王者であり続けます、偉大なる我が国の勤勉な人々のために、さらに彼らの安全・名誉・繁栄・平和の中で暮らす権利のために。

 私はトランプ第45代米国大統領のこの言葉を見て、驚きました。私が日本国民の利益としてあげている「安全・名誉・幸福・平和」とほぼ同じ言葉、同じ順序だったからです。私はこの言葉をスローガンとして2019年の後半ころからツイッターなどで言い始め、2020年に入るとスローガンとして掲げるようになりました。

 日英両語のスローガンも掲げるようになり、「安全・名誉・幸福・平和」は、

   安全:safety   名誉: honor   幸福: happiness   平和: peace

としています。

 トランプ大統領の言うdignity”は英和辞書では「威厳」というような訳語が載っていますが、彼のスローガンである“Make America Great Again.”の“great”の言い換えでしょう。私が使っている「名誉」とほぼ同じ意味で用いていると考えられます。また、彼は“prosperity (繁栄)”という言葉を用いています。これは経済的繁栄、金銭的余裕という面がつよい言葉ですが、私の幸福(happiness)は物心両面での幸福を意味しています。もちろん、経済的繁栄も私の言う“幸福”の中には含まれています。私のhappinessとトランプ大統領のprosperityは意味的に大きく重なります。

  トランプ大統領が2016年11月の大統領選挙に出て、ヒラリークリントン候補を破って当選し翌年1月に大統領に就任した直後に、大統領就任演説のある部分の意味を確認するためにホワイトハウスに手紙を出しました。その後、私を米国籍の有権者と勘違いしたのか、トランプ大統領が直接支持者に出す手紙が届くようになり、共和党の議員からも寄付を依頼する手紙が頻繁に来るようになりました。

  私の名前がトランプ大統領支持者名簿に載っているのは構わないのですが、あまりにも頻繁な共和党議員からの寄付の要請には閉口しました。

  さて、トランプ大統領のオフィスの掲げる言葉と私の掲げるスローガンがなぜ一致しているのか、トランプオフィスのだれかが私のブログを参考にしたのか?など色々と考えて見ましたが、これはPatriot(愛国者→与民者)であれば当然に出てくる言葉であると結論づけました。

 トランプ第45代米国大統領も私もPatriot(与民者)”なのです。政治家が「愛国心」を持ち出すときには用心すべき場合があります。国民の利益を大切にするということよりも、その国を支配している政権を大切にし、その指示することに従うべきである、と考えている政治家が多数いると思います。

 が、私がトランプ大統領が立派であると思う点は、

    remain a tireless champion for the hardworking men and women of our great country (我が偉大な国の勤勉な男性と女性のための疲れを知らない闘う王者であり続ける)

というように“男女=人々=国民”を前面に持ち出していることです。政治家として自分のために、または自分の周囲の人々のために“アメリカを再び偉大にする”と言っているのではありません。

 日本の政治家の中には、「自分の利益(当選・利権)と支持者の利権」を第一に考え、「日本国民の利益、すなわち、安全・名誉・幸福・平和」などは頭の片隅にもなく、平気で外国(中韓北露米)の利益のために活動する者が多数いるように思われます。これは与野党を問いません。

  日本国民の利益とは、

日本国民の 安全・名誉・幸福・平和

です。日本の周辺国(中韓北露米)は無法非道のヤクザ国です。その影響を受けすぎたのか、無法非道の日本人も多数でてきているようです。政治家や官僚も例外ではありません。

 国民の利益の中で、最優先事項は、

   日本国民の安全

です。この意味で、国防意識の欠如した政党や政治家は排除されるべきです。国民の安全なくして国民の生活、人々の生活は成り立ちません。 (2023年1月12日記)

  日本国民の利益をほぼ考慮していないのが、日本の大手マスコミ、メディアといえます。とくに、国民の利益のなかでマスコミがもっとも軽視しているのが〝日本国民の安全〟ですが、それに勝るとも劣らないくらい軽視しているのが、〝日本国民の名誉〟でしょう。これは過去の日本(国民)にかかわる名誉も含まれています。捏造の「慰安婦報道」を続けた朝日新聞などは日本国民の名誉とは何か、などまったく無視しているか無知なのかどちらかでしょう。そのくせ、NHKや朝日などは系列のテレビ局も含めて自社の社員の犯した不祥事、犯罪はほぼ報道せず沈黙を保ちます。自社の不祥事、犯罪は事実であるのに報道せず、事実にもとづかない過去の日本(軍)の状況を〝犯罪〟にしたてたのが朝日新聞などの“捏造の慰安婦報道”です。  いったい、日本のマスコミはだれのために働いて(動いて)いるのでしょうか。日本周辺の無法非道の国々(中韓北露米)の政権の利益のために動いているように見えるときがあり、また、米国に拠点を置くDSとその複合体の利益のために動いているように見えるときがあります。 少なくとも、日本国民と、日本周辺国(中韓北露米)の国民、人民の利益のためには動いてはいません。日本国民の利益、世界の人々の利益を無視し、一部の巨大組織の圧力と日本周辺国の政権の圧力に屈して迎合する報道をつづける日本のマスコミに未来はないと思います。(この段落は2023年3月14日追加)

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〈私がツイッターで掲げるスローガン〉

 





 

 


『万葉集 秘密の用字法』の出版

2023-01-02 16:46:55 | 古典の解読

万葉集 秘密の用字法の出版

永井津記夫(ツイッター:https://twitter.com/eternalitywell)

 

  新たな万葉関係の本を出版することができました。タイトルは『万葉集 秘密の用字法』でキンドル本として出版しました。サブタイトルは、

◇◆人麻呂・家持の秘密用字法◆◇まちがいだらけの万葉集歌の訓みと解釈

としています。

  残念ながら万葉集はまだ完全にはよめていません。万葉仮名が正しく訓めていない場合と、音的には正しくても、その解釈がまちがっている場合があります。また、どちらも間違っている場合もあります。また、まだ、歌の全部ではありませんが、一部において万葉仮名で書かれている文字をどのように訓むのかほとんど手のつけられていない歌も数十もあります。その意味で万葉集は未知の〝宝庫〟です。

  以下はキンドル本『万葉集 秘密の用字法』の「まえがき」です。

 

まえがき

  万葉集にはいくつかの未知の用字法(=仮名づかい)があり、その用字法に気づいていないために万葉仮名でかかれている歌の訓みを誤ったり、解釈を誤っていたりする場合が稀ではなく存在します。

  未知といってもその程度はさまざまで研究者の何名かは一つの歌に対してその用字法に先鞭をつけ、言及しているのに残念なことに一般化されず、用字法としての足場をもたず他の歌に応用されることもなくおわっています。

  また、今までほぼ気づかれることなく埋もれたままになっている用字法もあります。私は本書でそれらの用字法を示し、埋もれたままで多数の人の共通認識になりそこねている用字法を明らかにしたいと考えています。万葉集の秘密用字法というように「秘密」という言葉を用いていますが、これは万葉歌人たちが故意に秘密にしたものではなく、現在の私たちが気づかないだけだと考えられます。

  ただし、一部には本当に(時の権力者側に)秘密にして伝えようとする用字も少数ですが存在すると思われます。

 拙書『万葉難訓歌の解読』(一九九二年 和泉書院刊)にこれらの用字法の説明を(一部を除いて)ほぼしていますが、本書では読み誤っている考えられる歌と用字法をセットにするかたちで新用字法の説明をしていきたいと考えています。

 副題の中に「まちがいだらけの万葉集歌の訓みと解釈」としています。少し言い過ぎの表現かもしれませんが、万葉集には部分的にまだ訓めていない歌が多数ありますし、音的には正しくとらえていても、正しく解釈できていない歌も少なくないと私は考えています。万葉集全体を正しくとらえた場合を百点満点とすると現在は八十点くらいの段階かもしれません。

  本書において、用字法の説明をしていく場合には、万葉仮名を示すことが不可欠になりますのでやや読みづらい部分もあると思われますが、その点、ご承知おきいただければと思います。

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  以上が「まえがき」の部分ですが、次に「万葉の副用字法」という名称で、用字法の説明を(列挙するだけになるものが大部分ですが)簡単にしたいと思います。

  これらの用字法は万葉歌人たちが故意に隠しているものではなく、私たちの認識がその用字法に到達していないだけだと思われます。私は本書でそれらの用字法をできるだけわかりやすく説明していきたいと考えています。①はすでによく知られている用字法ですが、②から⑦は、私が初めて命名して示す用字法になります。

  本書の中で、

◆万葉の副用字法

同音借意(仮借)… 是=氏、留=流

はめ込み熟語(隠れ熟語)… 留別(離れ語)、小豆(アヅキ[なし])、當不←不當=不当(逆語)

重用文字… 朝東風(あさごちのかぜ)、淡海(あふみのうみ)

明頭文字・明尾文字… 散動、為形、斎祈、嘆久、恐見

構成要素用字法

背景用字法

二重用法連用形(連用形二重用法)…同音同義(同一語)の掛詞

などの説明をしています。

  ⑦に関連して、掛詞(かけことば)は同音異義語を原則とし、同音同意語、つまり、同一語の掛詞を無視してきたため、正しい訓みと解釈ができていない歌がかなり存在します。

 その代表の一つが「かひこ」、現代語で「かいこ:蚕」です。

 日本では魏志倭人伝に出てくる卑弥呼の時代から、絹織物があり、「蚕(かいこ)」もいたことは確実ですが、万葉集では従来の読み方では、「かひこ(=かひこ:蚕)」という語は出てきません。その代り、「かふこ」という言葉がでてきます。しかし、上代語として「かひこ=蚕」は存在します。『新撰字鏡』や『和名類聚抄』という辞書のなかに「蚕 加比古かひこ」と出てきて、上代語として「かひこ」という言葉は存在しています。が、万葉集では蚕に言及する歌は三首ほどあるのに「かひこ」ではなく「かふこ」という形に今は読んでいるのです。

 しかし、同音同一語の掛詞と二重用法連用形を認めれば、「かふこ」と読むのは誤りで「かひこ」と読むのが正しいということになります。「かふこ」は誤りです。今までどの研究者もこの誤りを正しませんでしたが、本書ではじめて正すことができたと考えています。

 「かふこ」と諸本が訓んでいる歌を次に示します。

  足常 母養子 眉隠 隠在妹 見依鴨 (万葉集巻十一・2495)

 この歌の「母養子」を諸家、諸本は「母がかふこの」と訓んでいますが、私は「母がかひこの」と訓みます。

  たらちねの 母が飼ひ蚕の 繭まゆこもり 隠こもれる妹いもを 見むよしもがも

  (たらちねの)母が飼っている蚕かいこの繭ごもりのように こもりきりのあの娘を見るすべがないものか

  ※「母がかひこの」の「かひ(飼ひ)」の部分を二重用法連用形とし、同音同語の掛詞と見て、「飼ひ→飼ひ・飼ひ」で、「母が飼ひ・飼ひこ の」と見ます。意味を取りやすくするために「母が飼ふ・飼ひこ の」とするとよく理解できます。つまり、〝母が〟という主格を示す言葉が「飼ひ」という動詞の連用形にかかり、「母が飼ふ」という〝主格語と動詞〟の動作、動的関係を維持しつつ、「飼ひ」は次の名詞の「こ」に結合して、動作性を失い「飼ひこ(かいこ 蚕)」という虫に変身します。つまり、「かひ」は二重に使われている連用形で、言葉をかえれば、同音同義の掛詞となります。この〝二重用法連用形〟と〝同音同義語〟の掛詞を認めることによって歌の解釈や訓みに変更を加えなければならない歌が複数存在します。

※「足常」を「たらちね」の音転として文字に即して「たらつね」と訓む本と、「足常」を「たらちね」と一般的に母の枕詞として使われるかたちに訓む説が対立しています。私は「常」は後の「隠」と結合するはめ込み熟語の中の〝離れ語〟で「常に隠れている」か「母が常に隠している」という意味を表すために故意に「常」を使っていると見ます。したがって、「足常」は「たらね」と訓みます。

 この2495番のほかに、2991番、3258番の歌も「母がかこの」と諸本訓んでいますが、「母がかこの」と訂正すべきでしょう。

* 母(はは)我(が)養(かひ)蚕(こ)乃(の)… 母がかこの (2991)

* 母(はは)之(が)養(かひ)蚕(こ)之(の)… 母がかこの (3258)

となります。驚いたことに、万葉集の歌の中に、通説による訓みではかひこ(蚕)」は存在しません。蚕かいこに関連する言葉が出てくる歌は、ここに示した二四九五番、二九九一番、三二五八番の歌の中だけですが、いずれも「かこ」と訓んでいるのです。これは前に「母が」という主格に合わせるために、動詞の持つ躍動性を失って静止的な意味が強くなる連用形ではなく(というより、この場合、カイコという虫になってしまう「かひ」ではなく)、より動詞の躍動性を保持する「連体形」を選んだためでしょう。この誤りは同音同義語(つまり、同語)による掛詞の存在を無視していた(知らなかった)ことによる当然の帰結です。

 本書ではこのような今までの訓みや解釈の誤りをいくつか指摘し、正しい訓みと解釈を提案しています。