コンビニ経営者の労働者性と介護ヘルパーの国賠訴訟のゆくえは

2020年01月24日 | 社労士
自分的に気になる裁判2つ。
ひとつは、コンビニ経営者を労働者と認め、コンビニ本部にユニオンとの団体交渉に応じるよう命じた地方労働委員会の判断を覆した中央労働委員会の命令を取り消す訴訟、もひとつは介護ヘルパーが保険者である国に対して、移動時間に介護報酬が支払われないのは不当だとして訴えてる国賠訴訟。
コンビニ裁判のは労組法の労働者及び使用者が争点になっているが、もしコンビニ経営者が本部使用者に対し労働者なら、コンビニ経営者に雇われてる労働者にとって誰が使用者になるのだろう?
建設業界などは下請け孫請けとかすごいので、安全管理面についてのみ、親会社・発注を直接受けた会社が使用者となっているが、コンビニの場合これとは違う。
では、江戸時代の旗本・御家人の直参に対して諸藩大名に仕える藩士のことをいう陪臣といったものなのか。
あるいは、コンビニ経営者を兼務役員みたないなものと考えるのは無理があるだろうか。
このコンビニ経営者問題はどの枠組みで考えるのが適しているのか。労働法は適しているだろうか。
商法の領域、独占禁止法あたりが妥当ではないかと思う。だがしかし、コンビニユニオンが団体で公正取引委員会に申し入れることの意味ってなんだろう。労働者であると主張しているオーナーたちが事業主として独占禁止法を問うているのか?
楽天通販サイトの送料無料に対しても楽天ユニオンが公取委に調査依頼しているが、彼らは事業主なのか労働者なのか。
セブンイレブンについてはオーナーの8割が脱サラ組、残りが酒屋や食品店からの転業とのことだが、みな一国一城の主を夢見て脱サラしたのではないのか、それでも労働者として保護を求めているのか。フランチャイズに乗ることでそうではない場合より簡単に起業できたと思われるが、それについては「こんなはずではなかった」ということなのか。
介護ヘルパー国賠訴訟については、ケアマネ時代の苦い思い出がある。移動時間に介護報酬が出ないということはヘルパー当人と事業主(や報酬管理をする者)以外にはあまり知られていないことではないか。少なくとも7年程前は労働行政もほっかぶりしてたような。私はこの件で事務職のおばはんからバカケアマネ呼ばわりされたので苦い思い出として記憶に残っている。事務おばはんは介護事業所で事務パートしていたが、介護報酬はやってなかったので移動については知らなかったようだ。
介護保険と労働基準法の溝の深さに、事業主では埒が明かないとしたヘルパーたちの反乱のようだ。
ゆくえが気になる裁判でした。
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働き方改革っていうても決めるのは当事者。仕事ドタキャンされたらどうする?

2020年01月24日 | 社労士
大阪での仕事が前日になってキャンセルとなった。
ホッとした。
家を空けることが多く、多少後ろめたい気持ちもあったし、子どもの体調があまりよくなかったこともある。
しかし、たまたまだんなが休みであり、ベビーシッターなど予約しておらず、仕事のドタキャンはどこにも影響を及ぼすことがなかったからこう言えるのである。
仕事と育児や介護との両立などをごたいそうに指南しているが、そして制度説明や法令を主に説明をしているが、会社で調整するか家庭で調整するかを決めるのは当事者である。
各当事者の置かれている状況や諸事情は千差万別である。
始業時間は8時だが保育園は7時半からで通勤時間もあるのでどーしても8時は無理。
こんなとき、始業時間をずらすのか、あるいは短時間にして9時からとかにするのか、7時から預かってくれる保育所に変えるのか、あるいは別の方法を考えるのか(送っていく人の確保、朝だけ別の託児所とか)決めるのは制度や法律ではなく当事者である。
会社が譲るのか労働者が譲るのか。
制度の運用は交渉ともいえる。
弾力性とかフレキシブルとか多様とかがんがん叫ばれているが、反面というか、叫ばなければその真逆に行きついてしまうからか、とにかく硬直的・画一的・単一的なのが現状である。
なぜならそれが簡単だからである。
頭の使い方が雑でもかまわないのだ、このやり方だと。
あてがいぶちに慣れきった頭と体にはフレキシブルはキツイ。
サブウェイは今はどうか知らないが昔むかし、パンの種類、マヨネーズの種類、はさむ野菜の種類、ハムの種類なにもかも自分で選ばなければならなかった。日本人にこのやり方は向かない。包括受け入れに慣れている者にとっては自分で決めるというのは大変なハードルの高さなのである。
自分は仕事だけして、それ以外は銃後に丸投げという人間にとってあれもこれもといったマルチタスクやさまざまなことを勘案して判断するという芸当はまさに芸当であっておいそれとはできない。
働く側は制度の他社風も後押ししないと言いだしにくいし、会社は準備不足であたふたし、なんとか家庭で調整してくれないものかと期待し、ついそういう心配のない労働者を雇用できないものかと思うものの、そのようなタイプはすでにいない。ってか、そういうタイプ(例えば独身親元暮らしなど)はたいていいないほうがいいような(言うてしまえば使えない)タイプである…
もしも今日だんなに勤務変更お願いしてたり、ベビーシッターを手配してたらどうなってたか…

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