ブログ仙岩

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今花盛りのコオニユリとオニユリの見えない努力

2014-07-31 09:44:07 | 日記
アゲハチョウは赤い色を識別するので、赤っぽい橙色のコオニユリの花にもやってくるが、花は下向きに咲き、長いストローのくちばしの蝶が止まりにくくして羽をばたつかせ受粉しやすくしている。赤色は信号機の赤で止まれ、殆んどの果実も赤で鳥や動物たちを呼び寄せるためである。

コオニユリの雄しべにも工夫がある。その先はT字型でねばりのある花粉の入った葯が自在に動くようになっていてチョウの体にフィットする。ユリの花粉が衣服につくと取れにくいのはそのためである。

また、球根にはデンプン質が豊富で、デンプン源の語源はウリに由来する。ウルち米、クリ、クルミ、ユリは同じ発音を持つもので、特にコオリユリの球根はえぐみも少なく味が良くイノシシが狙っている。が、コオニユリも負けてはいない。鱗茎の球根は水や栄養分を吸収する上根と鱗茎をより深く引っ張り込む牽引根の下根で、球根を守っている。更にユリは球根の真上に茎が伸びるが、コオニユリは横へ延びて、球根の位置が分からないように工夫している。

ユリは百合と書き、沢山の鱗片が合わさったもので、動物から狙われるとばらばらになり輪片の被害を最小にしている。優雅なユリの花知られざる努力で子孫を守っているのである。

コオニユリは山地や草原、湿地に葉の根元にムカゴを作るオニユリより一回り小さくムカゴを作らず種子を作る。オニユリは1~2mの大型で平地や低山に自生する。そして、球根には、ユリの鱗茎、里芋の球茎、ジャガイモの塊茎、ハスの根茎、サツマイモの塊根、山芋の担根体の6種で区別している。コオニユリの鱗茎を守る努力には大変な驚きである。右の画像のもっと下の葉の葉柄に黒っぽくムカゴがついているオニユリである。


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