ブログ仙岩

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大石邦子「愛し子よ」を読んで

2023-10-22 04:59:46 | エッセイ

お盆が過ぎても、灼熱の日々は収まる気配もなく、室内の温度計は30度。

伊達市梁川町では遂に40度に、そして大雨、台風の被害が各地に。

我が街は天候の被害は逃れている。そんなところへ突然の吉報が飛び込んできた。

今は亡き妹の娘一家が4年ぶり、明日会津に来るという。

仙台の施設にいる姉が会いたがっている子供たちを合わせ、その帰りに寄るらしい。

2泊して、クーちゃんは何もしなくて、全て自分たちでやるから、姪は付け加えた。

4人は仙台に1泊し、翌日、小1の新と3年生朱莉ちゃん、姪夫婦だった。

慣れてくると、抱き着いてきて、人に抱き着かれる経験のない私は、言葉に絶句する可愛さで涙が零れそうだった。

新は、何かを見つけたように、恥ずかしいわしの二の腕のぶよぶよに頬を当てているのだ。

お姉ちゃん迄が、私にもやらせてと叫ぶ。いや~と新が叫ぶ、ママと喧嘩が始まり、仲直りも実に見事で驚いた。母親の魔術だった。

この子らの姿を、私の妹は見ることが出来なかった。朱莉が生まれたのは、妹が亡くなって半年後であった。

私は机の向こうにある妹の遺影に向かって、芳子見えるか、お前の2人の孫だよ。

大石さんのエッセイから人生の孤独感はどこにも見当たらない。素晴らしい人生である。

この子らが去ったあと、孤独感に陥り、アンチエイジングや死の道を選びたがる人もいるが、その気配すら感じない。

頼もしい限りである。孤独という自由から病気による諦めや人生の下山の衰えすら感じさせない。感謝、感謝!