ブログ仙岩

各紙のコラムや報道番組、読書の感想、カメラ自然探索など。

大石邦子の「終列車が行く」を読んで

2019-03-27 05:41:12 | エッセイ
3月は別れの季節、福島ラジオ「こでらんに5」では今週卒業がお便りのテーマである。今朝は4時から「美宙天文台長佐治晴夫・人生の星をつかみ続けて」を聞いた。世界中には見えないものだらけ、昼の星のようにと、金子みすゞの詩星とタンポポを合わせてお話ししていた。音楽と数学の関係、私も音楽と数学をやっているから、全く同感である。

さて、大石邦子さん宅の裏には、只見線が走っている。2011年の豪雨被害で、川口~只見区間はまだ復旧していないが。高校3年間、この只見線で通った。駅からは、まっすぐにこちらが見える。電車がホームに入ってくる。眠い朝のギリギリに家を出る通学生は、時として遅れそうになる。私たちは手を振り、声を張り上げながら必死で走る。電車はそんな私達に向けて「急げ!」とばかりに汽笛を鳴らす。また、鳴らす。どれだけそんな朝を繰り返しただろう。しかし、列車は決して私たちを置き去りにはしなかった。汽笛は運転手さんの優しさ、穏やかな時代だったと思う。

人生に何が起こるかわからない。けれど苦しみから学ぶことも大きい。道に迷って道を覚える。出会い別れ、未来を築く新成人の人に心からのエールを送りたい。写真は我が家の塔に立った小松菜。