青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

第七十九話①

2023-02-12 | 第七十九話〜第八十一話

ミエは口を開けたまましばし固まった。

チョルと、長身ショートカット女子が会話している光景から目が離せない。

なんだか面白くない気持ちを持て余しながら、ミエは一人毒づく。

てかゴミ拾いにきて何してんのさ。チョルがちゃんと答えるとでも・・

そう思ったのに、意外にもチョルは彼女を拒絶せずに話を聞いていた。

女子の方は笑いながら、親しげにチョルに触れる。

これにはミエもビックリだった。

あ・・・

知り合いなのかな?

私の知らないチョルの友達?

あ・・もしかしてあの時のパンの・・?

以前目にした光景が思い浮かんだ。

自分以外にチョルと親しい女子がいると知って、モヤモヤしたあの時の・・。

 

 

 

その女子を連れてきた、三組のシン・チャンヒョンにミエは気づいた。

が、パッと目を逸らす。

この間背中越しに聞いた、棘のある言葉を思い出した。

「あの女子がいつも面倒起こすんだろ?」

この心のモヤモヤは、シン・チャンヒョンに対する苛立ちなのだろうか?

けれどなんだか違う気がする。

いや・・避けてるわけじゃないし。あいつが言ってたことは別にどうでもいいし

シンが原因でないとすれば、やはりチョルとあの女子が会話しているのが原因なのだ。

友達同士でどういう話をするのかが、ちょっと気になる気がする!
 
 

わざわざ割り込むことまではしないけどさぁ・・

二人は結構長い間話している。

ミエはチラチラとそちらを見ながら、独り言のようにつぶやいた。

けどあの二人なんの話を・・?
 
気になるな・・あんなにじっくり聞いてるし

あのショートカット女子が、ミエに話し掛けてきた時のことを思い出した。

「二人は付き合ってたりする?」

「この子は違うって」

ミエはいまだにモヤモヤしていた。

あの女子がミエを、「チョルが付き合う対象」からすぐに外したことを・・。

モヤモヤした気持ちはいつしかイライラへと変わっていた。

ていうかいつの間にあんなに仲良くなったの?いつ?どこで?何時何分何十秒?
 
私どうしたんだ?だってなんか・・・

チラチラと視線を動かしていたミエ。

そんなミエに、後方から声が掛かった。

「何してんの?」

ひいっ!

突然現れたモ・ジンソプに、ミエは思い切り驚いた。

「ちょっ!びっくりすんじゃん!いつからそこに?!」

慌てるミエと対照的に、ジンソプはただじっとミエのことを見ていた。

ふぅ〜〜〜〜ん

「なっ・・何さ!?何なの?!」

ニヤッ

 

まるでミエの心の中を見透かしているかのように笑うモ・ジンソプ。

ミエの冷や汗が止まらない・・・・。

 


第七十九話①でした。

 

おおお・・・!これはジェラシー!!

情熱の赤い薔薇〜そしてジェラシ〜(あたしンチの母が歌ってた歌)

 

そしてそれに気がついたモジンソプ!

面白くなってまいりました!!

 

第七十九話②に続きます


第七十八話④

2023-02-09 | 第七十六話〜第七十八話

五年前のミエが言う。

「うちらもう友達だよね?」

その時、チョルは答えなかった。

もう滞在も残り少なくなってからもう一度、ミエは問うた。

「うちら・・友達だよね?」

数日間一緒に遊んで、ミエはもうチョルのことを友達だと思っていたのだ。

しかし・・・

「そんなわけあるかよ」

まるで雷のような、低い音が脳天から降ってきた。

いつしかそれは電子音へと変化し、ミエの意識を覚醒させた。

パチッ

電子音が止み、ドアの向こうで母の声が聞こえる。

「もしもし?」

ガバッ

遠くで雷鳴の音がした気がしたので、てっきり雨が降っていると思っていたら、

窓越しに見える空は快晴であった。

カーテンを開けっぱなしで寝ていたらしい。

チョルの部屋のカーテンは閉まっているが。

心の襞は幾分波立っていたが、なぜそんな気分なのかは説明つかない。

どんな夢を見ていたのか、もう忘れてしまっていた。

「なんだろ・・なんか夢見てたな・・てかなんでこんなに良い天気なん」

机の上には、ユンヒたちが通っている「最高学院塾」のパンフレットが乗っていた。

「安心している時が一番危ない時」と書いてある。

ミエは現実に引き戻されながら、学校へ行く準備を始めた。

 

 

快晴の空の下、土曜日だと言うのに生徒たちは河川敷に集められた。

課外活動の清掃をする日なのである。

「雨降ってくれてたらゴミ拾いしなくて済んだのにさぁ。マジムカつくわ」

ユンヒたちはぶつくさ言いながら清掃に励んでいた。

いつかチョルをビビらせた青虫が、ミエの視線の先にいる。

「学校内の清掃だけじゃなく河川敷までやんなきゃなの?」

「学生をボランティア扱いしやがってー」

 

「労働組合に意見しなきゃ!」

生徒たちはゴミ袋を持ったまま、喋ったり歩いたりしているだけだ。

教師達が「ほら、そこ固まるな、全部の袋がいっぱいになるまで帰れないぞ」と言っていた。

「てかゴミが一個もないんだけど」

「どうしろっつーのよ〜」

ユンヒ達の文句を聞きながら、ミエは彼を探した。

青虫が嫌いなチョルは、これを見たらびっくりするだろうから。

男子達に囲まれているチョルが、ミエに気づいた。

「ちょっと!これ見れ〜っ!新しい友達だよ〜っ!青・虫子・・」

青虫を見て慌てふためくチョル・・・は、残念ながら見れなかった。

3組のシン・チャンヒョンが、チョルに話し掛けていたからだ。

見ていると、シンの隣に女子が出て来た。

ショートカットの長身のその女子は、にこやかにチョルに挨拶する。

見覚えのある女子だった。

いつかミエに、

聞いてきた女の子・・・。

 

彼女とチョルが並んでいるところは、傍目から見ていい感じだった。

なんだか複雑な思いが、ミエの胸に充満する・・・。

 


第七十八話④でした。

 

あのショートカット女子・・!確実に距離を詰めて来おる・・

これでミエがチョルへの思いを自覚してくれると面白いんですけどねー

この先に期待です!

 

第七十九話①に続きます

 


第七十八話③

2023-02-06 | 第七十六話〜第七十八話

不機嫌なホンギュと、彼に傘を差しかけながら帰って行くジョンウクを、

チョルとミエはそこで立ちながら見送った。

チョルはホンギュとの関係がこじれたことに頭を悩ませる。

「あいつ本気で拗ねてたね」

「別に大したことじゃないのに、一人で大騒ぎして拗ねてさ。

なんかオーゲサだったよね?うちら、友達なのにさ!」
 

ミエは真っ直ぐ前を向きながらそう言った。

ミエのことを見るチョル。

「でしょ〜?」

キラキラ

星を飛ばしながら、念願の「友達」認定を、ミエは満面の笑みでチョルに確認する。

チョルは複雑だ。

一旦ミエから視線を外して前を向く。唇を尖らせて。仏頂面で。

隣ではミエがずっとチョルの肯定を促してくる。

ね? ね? そうだよね?

ね? ね?

キラキラ、キラキラ・・

これには流石のチョルも・・・・。

「・・おう 友達だ、友達!」

大きく息を吐きながら、遂にチョルが認めた。

ミエと、「友達」だと!

「言ったね?!とうとうあんたの口から!直接聞けたー!」

ミエはわあっと一人、歓声を上げた。

雨が降っていることなど、微塵も気にしないような笑顔で。

雨粒がミエに当たってキラキラと輝く。

チョルはただ、口をポカンと開けて彼女を見ていた。

 

 

 

ミエの喜びの舞は続く。

「ついに認めたね!もしかして気づいてなかった?!

私が今までどんだけモヤモヤしてたか!遂にー!」

「私の勝ちっ!」

 

小さな子供のように全身で喜びを表すミエを見ながら、

チョルはこの春からのミエとのやりとりを思い出していた。

 

 

帰り道、待ち伏せされて突然言われたこの言葉。

「馴れ馴れしくすんな」と、強く言ったすぐ後だったのに。

「仲良くしよう!ね?」

 

ミエの家が停電した時、暗い室内で言われた言葉。

揶揄われてばかりの二人が結ぶ、いわば協定のような。

「私たち、友達になろう」

 

そして体育の時間に、先生に向かって放ったミエの言葉。

クラス全員の前で、チョルを庇って叫んだ。

「この人は私の友達です!」

自分の身長より30センチ低いところに、頼もしい背中があった。

 

あれほど関わるのはよそうと思っていたのに、いつしか感化されていた。

先日チョルは、自分で口にしたのだ。

「俺の友達だから。お前これからは口に気をつけろよ」

ただあの時は、ミエとチョルは背中合わせだった。

どういう表情でそれを言ったか、ミエは確認できていなかったのだ。

今日は違う。

ミエの横で、なんの偽りもなく、「友達だ」と言ってくれた。

 

 

ミエはチョルに向かって小指を差し出した。

「はい、約束!」

「げっ・・またかよ・・」

チョルは顔を顰めたが、ミエは全く怯まない。

まるで幼い子供がするようなことを、堂々と正面からするのがファン・ミエだ。

だから、ついついチョルも引きずられてしまう。

はぁ・・

ついにチョルは観念した。

彼女に向かって、自分も小指を差し出す。

 

[1999年6月 模擬試験が終わった日]

[少年と少女は、真の友達であることを約束する]

「ほら、これで良いだろ」

「こっちも!」

韓国の指切りは、小指の後に親指を合わせる。

ハンコの意味合いがそこにあって、二人はより強く絆を結ぶのだ。

「もうこれでうちら本当の友達だよね!?永〜〜〜遠に!」

「ああ分かったよ。永遠な」

二人はこうして誓い合った。

「僕らは永遠に友達だ」と。

 

[そしてその約束を後悔するようになるのか否か]
 
 
[1999年、世紀末の半分が過ぎていた]

 

雨はいつの間にか上がっていた。

中学三年生の折り返しに、親指のハンコが押された夜。

 


第七十八話③でした。

 

おお〜友達認定おめでとうミエ!

しかし「友達」であることがこの先足枷になるのでは・・?!

早くカレカノになる二人が見たい私です。。。

 

第七十八話④に続きます


第七十八話②

2023-02-03 | 第七十六話〜第七十八話

「でしょ?!だよね?!」

 

「うちら友達だから!」とチョルの手を取ったミエは、ギラギラした眼差しで念を押した。

「だ・よ・ね?!」

「お・・・おう・・」

「とも・・だちだ・・」

ミエの気迫に押されて、とうとうチョルが皆の前で肯定した。

「ほらね?!」

「この人は私の黒騎士——そして私の友達なの!だからもう喧嘩は・・」

 

その瞬間、意外な人が大きな声を出した。

「だよねーっ!」

「俺たちみんな友達だよね?なぁ?」

「だからみんな仲良くしようよ、Sクラス!」

ほとんど力技で、ジョンウクがまとめた。

ミエはピースし、

ジョハンは友達認定を受けて花を飛ばす。

チョルは苦笑いだ。

この場にいる五分の四は肯定ムードだ。

この人を除いては・・。

 

 

<猿も木から落ちるので>

雨は続いていた。

その中で、傘も差さずに帰ろとしているのはベ・ホンギュだ。

「おい、一緒に使おうって」「いらねー!オトモダチと使えば良いだろ!」

「最後まで拗ねんなって」
 
 
「おーい!猿の助!私の黒騎士に負けたからって拗ねてんの?!」
 
「ファン・ミエ!!お前は消えろ!!」
 

「家に帰って泣かないでね〜?」

「今後大きな顔すんなよ!」

はい、ここでストップ。

一体何があってこんな流れになったのか、巻き戻して見てみましょう!

 

「Sクラスみんな友達」のムードの中、この表情のベ・ホンギュ。

「この・・・変人どもが・・」

「マジで言ってんのか?」

怒りに震えるホンギュの後方に、見覚えのある人物がいた。

ミエは大声で彼を呼び止めた。

「ちょっと!ちょっと待って!タイムタイム!私、黒騎士交代!」

「はぁ?!」

[こんな感じで突然参戦した最後の黒騎士は]

「行けっ!コ・テグァン!!」

「ふぅむ・・ベ・ホンギュ氏と・・この界隈でかなり出来るとは聞いていたのだが・・。
 
小生の守備範囲ではないので・・こうやって対戦することになるとは思っていなかった」

なんと、真打登場——・・!

チョルは自分の代わりにガチの助っ人が現れたことに驚き、ジョハンは少し慌てた。

「なんだよ、僕が話しかけた時は無視したくせに!」

そうは言っても、ジョハンの話し掛け方はこうだった。

「あの・・・一緒のクラスで・・・その・・・じゃあね・・」

「コ・テグァン、ゲームすごく上手いって・・けど別の世界行ってて・・誘えなかった」

「へ〜あの人上手いんだね」
 
こんな感じだったそうだ。
 
けれど結果オーライ!な今の状況に、ミエはジョハンにサムズアップを贈る。
 
「やはり相間見えることになるのか・・小生が最も得意とするゲームではないけれど・・
 
良いでしょう、この対決・・受けて立ちましょう!」
 
 
コ・テグァンはそう言い切った。初めて見るこんなに喋る彼に、ホンギュも当惑気味である。

「なんなんだよ!お前も変人か?!」

 

「わーかったよ!みんなまとめてかかってこい!こんな対戦さっさと終わらせてやる!まじムカつく!

 

そして第4回戦は、コ・テグァンVSベ・ホンギュ!

[とりあえず結果だけ言うと]

それはそれは今までに見たことのない激しさの対戦・・・

・・だったのだが、あっという間に勝敗はついた。

 

そして敗者は、がっくりと膝をついた・・!

「ふむ・・期待したほどではなかったが、それなりに良い勝負だったのでは」

「では小生はこれで」「ね・・ねぇ君・・ちょっと!」「センキュー!テグァン!」

[ベ・ホンギュの惨敗だった]
 

[しかも大敗であった・・!]

ガーン!!!

とにかくホンギュの愕然っぷりは相当のものだった。

弱ってるところに、迷わずミエは畳みかける。

「あんた私らのお願いきいてよね!約束、忘れんなよ!」

後ろからホンギュに傘を差しかけるジョンウクが、にこやかにミエに言った。

「ミエ、勉強のこと考えてみてね!待ってるから」「あ、うん!」

目深にフードを被ったベ・ホンギュが、複雑な感情のこもった目をして振り返った。

その表情を、チョルもまた複雑な思いで見つめる。

そして彼らはそれぞれ解散した。

雨はしとしと降っている。

 


第七十八話②でした。

 

コテグァン・・笑

もう思い切りオタクっぽい口調で攻めましたw

チートラの太一もオタクという設定だった気がしますが、上には上がいるなw

 

第七十八話③に続きます