青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
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第七十八話③

2023-02-06 | 第七十六話〜第七十八話

不機嫌なホンギュと、彼に傘を差しかけながら帰って行くジョンウクを、

チョルとミエはそこで立ちながら見送った。

チョルはホンギュとの関係がこじれたことに頭を悩ませる。

「あいつ本気で拗ねてたね」

「別に大したことじゃないのに、一人で大騒ぎして拗ねてさ。

なんかオーゲサだったよね?うちら、友達なのにさ!」
 

ミエは真っ直ぐ前を向きながらそう言った。

ミエのことを見るチョル。

「でしょ〜?」

キラキラ

星を飛ばしながら、念願の「友達」認定を、ミエは満面の笑みでチョルに確認する。

チョルは複雑だ。

一旦ミエから視線を外して前を向く。唇を尖らせて。仏頂面で。

隣ではミエがずっとチョルの肯定を促してくる。

ね? ね? そうだよね?

ね? ね?

キラキラ、キラキラ・・

これには流石のチョルも・・・・。

「・・おう 友達だ、友達!」

大きく息を吐きながら、遂にチョルが認めた。

ミエと、「友達」だと!

「言ったね?!とうとうあんたの口から!直接聞けたー!」

ミエはわあっと一人、歓声を上げた。

雨が降っていることなど、微塵も気にしないような笑顔で。

雨粒がミエに当たってキラキラと輝く。

チョルはただ、口をポカンと開けて彼女を見ていた。

 

 

 

ミエの喜びの舞は続く。

「ついに認めたね!もしかして気づいてなかった?!

私が今までどんだけモヤモヤしてたか!遂にー!」

「私の勝ちっ!」

 

小さな子供のように全身で喜びを表すミエを見ながら、

チョルはこの春からのミエとのやりとりを思い出していた。

 

 

帰り道、待ち伏せされて突然言われたこの言葉。

「馴れ馴れしくすんな」と、強く言ったすぐ後だったのに。

「仲良くしよう!ね?」

 

ミエの家が停電した時、暗い室内で言われた言葉。

揶揄われてばかりの二人が結ぶ、いわば協定のような。

「私たち、友達になろう」

 

そして体育の時間に、先生に向かって放ったミエの言葉。

クラス全員の前で、チョルを庇って叫んだ。

「この人は私の友達です!」

自分の身長より30センチ低いところに、頼もしい背中があった。

 

あれほど関わるのはよそうと思っていたのに、いつしか感化されていた。

先日チョルは、自分で口にしたのだ。

「俺の友達だから。お前これからは口に気をつけろよ」

ただあの時は、ミエとチョルは背中合わせだった。

どういう表情でそれを言ったか、ミエは確認できていなかったのだ。

今日は違う。

ミエの横で、なんの偽りもなく、「友達だ」と言ってくれた。

 

 

ミエはチョルに向かって小指を差し出した。

「はい、約束!」

「げっ・・またかよ・・」

チョルは顔を顰めたが、ミエは全く怯まない。

まるで幼い子供がするようなことを、堂々と正面からするのがファン・ミエだ。

だから、ついついチョルも引きずられてしまう。

はぁ・・

ついにチョルは観念した。

彼女に向かって、自分も小指を差し出す。

 

[1999年6月 模擬試験が終わった日]

[少年と少女は、真の友達であることを約束する]

「ほら、これで良いだろ」

「こっちも!」

韓国の指切りは、小指の後に親指を合わせる。

ハンコの意味合いがそこにあって、二人はより強く絆を結ぶのだ。

「もうこれでうちら本当の友達だよね!?永〜〜〜遠に!」

「ああ分かったよ。永遠な」

二人はこうして誓い合った。

「僕らは永遠に友達だ」と。

 

[そしてその約束を後悔するようになるのか否か]
 
 
[1999年、世紀末の半分が過ぎていた]

 

雨はいつの間にか上がっていた。

中学三年生の折り返しに、親指のハンコが押された夜。

 


第七十八話③でした。

 

おお〜友達認定おめでとうミエ!

しかし「友達」であることがこの先足枷になるのでは・・?!

早くカレカノになる二人が見たい私です。。。

 

第七十八話④に続きます



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2 コメント

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Unknown (りんご)
2023-02-07 13:13:09
『友達』が足枷…
ははーんなるほど
恋心が芽生えても、『友達』関係を壊さないように…とか
友達としての好きなのか恋なのか…とかとか?
恋と友情の間でもがくのかしら
ようやく少女漫画の展開ですかね!
Unknown (Yukkanen)
2023-02-07 23:24:48
りんごさん
ほんと!!ようやくちょっと前進・・かな?!
ただ今回亮ポジの当て馬(ひどい)が何人もいて、この先が読めません!!

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