ミエは口を開けたまましばし固まった。
チョルと、長身ショートカット女子が会話している光景から目が離せない。
なんだか面白くない気持ちを持て余しながら、ミエは一人毒づく。
そう思ったのに、意外にもチョルは彼女を拒絶せずに話を聞いていた。
女子の方は笑いながら、親しげにチョルに触れる。
これにはミエもビックリだった。
あ・・・
知り合いなのかな?
私の知らないチョルの友達?
あ・・もしかしてあの時のパンの・・?
以前目にした光景が思い浮かんだ。
自分以外にチョルと親しい女子がいると知って、モヤモヤしたあの時の・・。
その女子を連れてきた、三組のシン・チャンヒョンにミエは気づいた。
が、パッと目を逸らす。
この間背中越しに聞いた、棘のある言葉を思い出した。
「あの女子がいつも面倒起こすんだろ?」
この心のモヤモヤは、シン・チャンヒョンに対する苛立ちなのだろうか?
けれどなんだか違う気がする。
シンが原因でないとすれば、やはりチョルとあの女子が会話しているのが原因なのだ。
わざわざ割り込むことまではしないけどさぁ・・
二人は結構長い間話している。
ミエはチラチラとそちらを見ながら、独り言のようにつぶやいた。
あのショートカット女子が、ミエに話し掛けてきた時のことを思い出した。
「二人は付き合ってたりする?」
「この子は違うって」
ミエはいまだにモヤモヤしていた。
あの女子がミエを、「チョルが付き合う対象」からすぐに外したことを・・。
モヤモヤした気持ちはいつしかイライラへと変わっていた。
チラチラと視線を動かしていたミエ。
そんなミエに、後方から声が掛かった。
「何してんの?」
ひいっ!
突然現れたモ・ジンソプに、ミエは思い切り驚いた。
「ちょっ!びっくりすんじゃん!いつからそこに?!」
慌てるミエと対照的に、ジンソプはただじっとミエのことを見ていた。
ふぅ〜〜〜〜ん
「なっ・・何さ!?何なの?!」
ニヤッ
まるでミエの心の中を見透かしているかのように笑うモ・ジンソプ。
ミエの冷や汗が止まらない・・・・。
第七十九話①でした。
おおお・・・!これはジェラシー!!
情熱の赤い薔薇〜そしてジェラシ〜(あたしンチの母が歌ってた歌)
そしてそれに気がついたモジンソプ!
面白くなってまいりました!!
第七十九話②に続きます