青リンゴ観察日記

韓国漫画「世紀末青リンゴ学習塾」観察ブログです。
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第六十話④

2022-05-15 | 第五十八話〜第六十話

放課後、家の近くでチョルは一人空を眺めていた。

ぐるぐる考えすぎて、完全にキャパオーバーなのである。

ファン・ミエを妹として見てるのか?いや・・・でも・・・

チャ・ヨンヒに言われたからってそんな・・・いや・・・けど・・・

と、自分の感情が自分で分からなくなって、まるで宇宙空間に迷い込んだようになっているw

「ねぇっ!」

すると聞き慣れた大きな声で、チョルは宇宙から呼び戻された。

「こんなとこで孤独と戯れるなし!

今日のサッカー勝ったし、変態も追い出したし、あんたのことかっこいいってみんな大騒ぎだよ?!」
 

ミエはチョルの隣に座ると、嬉しそうに話を続ける。

「今日めっちゃすごかったじゃんか〜!こんなならヒソヒソ話されてもなんでもないよね!

このまま体育祭まで一緒に勝ち抜こうね!」

「そしたら成功だよっ!」

ミエは嬉しそうに、そう言ってサムズアップして見せた。

その笑顔は無邪気そのもの・・。

それを見て、なんだかチョルは気が抜けた。

ぐるぐる考えていたことを、忘れてしまうような。

「成功って何が・・」

「なーんでそんなに後ろ向きなのさ!もう後戻りはできないよ?!」

「そういえば、あんた覚えてる?あんたの地元の田舎でさ・・」

そう言ってチョルを見た時、彼の口元が微かに上がっていた。

 

ミエはそれを見て、5年前の夏を思い出す。

寝転がった空に見えた、あの飛行機。

二人でフォークダンスをして限界まで回って、寝転がった。

青い空が眩しくて、ぐるぐる回る目の前がなんだか楽しくて、

まだ傷のない彼の口元が、とても自然に上がった。

ミエはあの時、そんなチョルの表情を見ていた。

そして今、それと同じ顔をチョルがしていたのだ。

 

 

しかし次の瞬間、もうチョルはいつもの彼に戻っていた。

あ・・

「なんだよ」「え?いや〜」

 

「明日もこの調子でがんばろー!」

今の二人の距離は、こんなものでいい。

チョルとミエは同士だから、隣に座って同じ方向を見る。

 

 

翌朝、上機嫌に登校していたミエ。

すると、聞き慣れない声が掛かった。

「あの・・」

「おはよう」「ねぇ、ちょっと聞いていいかな?」

「あ、うん!」
 

ミエは(よく知らない子らだ)と思いながらも、彼女たちからの質問を受けることにした。

「あなたキム・チョルと親しいんだよね?あの人優しい?」「怖くない?」

キム・チョルの”大魔王”的側面を聞かれたミエは、反射的にすぐに否定した。

「全然!キム・チョルは全然怖くないよ!

表情は無愛想だけど、全然怖くないの!前の学校でも、相手に喧嘩売られたってだけなんだって!」
 
「へぇ、そうなんだぁ」

彼女たちはそう相槌を打った後、一番聞きたかったであろうことを口に出した。

「あの・・もしかして、」

「二人は付き合ってたりする?」

「へっ???」

その質問があまりに予想外だったので、ミエは目が点になってしまった。

はぁぁ?!?!

「全っ然っ!」

そして弾かれるように、全力で否定するミエ。

「違うよ!全然違うっ!なんで私があの人と・・?!」

「ほら、言ったじゃんやっぱり。この子は違うって」

彼女たちは何にも動揺せずにそう言った。

ミエが拍子抜けしてしまうほど。

えっ?

「教えてくれてありがと〜」

そう言って去っていく彼女らの背中を、未だ目が点のまま見ているミエ。

一体どういうつもりで、あんなことを聞いて来たのか————・・・?

 

 


第六十話④でした。

 

ええっなんかちょっと失礼では?!

これがチョルの相手がハンソンイちゃんとかだったらまた違うんでしょうけど・・。

けどこれがミエの意識を変えることにつながるのか?!

先が気になります

 

第六十一話①に続きます

 



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