北野進の活動日記

志賀原発の廃炉に向けた取り組みや珠洲の情報、ときにはうちの庭の様子も紹介。

S-1再調査の狙いがみえてきた

2012-10-09 | 志賀原発
 社民党志賀原発国会調査団の志賀原発の断層調査の視察に参加。

 福島みずほ社民党党首を団長に、又市征治副党首、阿部知子政審会長、服部良一政審副会長も加わった国会議員団と石川、富山の10人の自治体議員、さらに渡辺満久東洋大教授にも参加してもらい、11時半から予定を若干オーバーして2時近くまで志賀原発を視察する。


  志賀原発事務党内で西野所長らから津波対策や断層調査の状況について説明を受け、その後、敷地内や海岸部の現地の調査状況を確認する。

 かねてから再調査の狙いは活断層隠しの継続だと指摘してきたが、今回の視察で北陸電力の狙いはより一層鮮明になった。

 渡辺教授は視察を終えた後の記者会見で端的に指摘した。
 北電がやろうとしているのは、
1.S-1が活断層ではないと言おうとしている。
2.S-1が断層であっても深くはないと言おうとしている。
3.S-1が断層であっても長くはないと言おうとしている。
4.S-1が断層であっても古いと言おうとしている。

 1は、S-1が要するに単なるひび割れと言いたがっているということ、4.は同様に、地下40メートルを直接見てもらえばわかると言って、学術的には全く確立していない断層箇所のESR(電子スピン共鳴法)で、ひび割れの間に昔むか~しできた粘土などがはさまっていることを示して12~13万年以上昔にできたものだと証明しようとしているということ。間に挟まっているものが古いからといって、その後に動いていないという証明にはならない。
 3.4は、直下の副断層(主断層は富来川南岸断層)存在という渡辺教授の指摘から見れば全く本質的な問題ではないが、小さな断層で自ら動くことはないということを主張したいのだろう。 

 渡辺教授だけでなく複数の専門家がスケッチ図で活断層は明らかだという。しかし、北電などはそれだけで結論付けることはいかがなものかという。
 そこで確認の意味で再調査をしてみるが、上部の地形が残っていないので確認しようがない。北電は地下40m掘って現物を見てくれと言うが、そこを見ても活断層ではないという立証はできない。
 さて、こんなときにどうするか。

 活断層ではないと立証できない限り廃炉にするのが当然ではないか。

 視察後の申し入れでは、活断層であることが明らかになった場合は廃炉の決定を求めること、という要請に、竹中副知事は明言を避けた。本来ならば活断層でないことが明らかにならない限り県としては再稼働を認めないと言ってもいいところ、県の後ろ向き姿勢は依然かわらない。


 竹中博知事に申入書を渡す福島党首。



終了後、記者会見。

 ところで、代表撮影以外はボーリング調査の様子などの写真撮影は認められなかったのが残念であるが、とっくの前に完成した建屋の真横で、岩盤を砕きながら直径8Mの立抗(現在約6Mまで掘っている)ボーリング調査をおこなっている様は、福島党首がいうように驚愕である。
 本来建設前に確認すべきことが今ごろになっておこなわれている様は異常である。
 


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