知らない化け物の名前に反応する潮! 潮は話をざっと聞いて、走った。(訳わからん! とにかく槍!!)「蒼月くーん! 麻子が大変みたいなの!」真由子が走ってきた。「何ぃ?!」真由子と合流する潮。まだそこらに潜んでいた海座頭は(蒼月? まさか?!)と潮の姓に動揺していた。
「大きな怪物に呑み込まれた? どういう」「貸して!」麻子からの電話に戸惑う麻子の祖父から受話器を取る潮! 麻子はあやかしの腹の中から麻子のスマホで電話を掛けていた! 最近のスマホの高性能ぶりたるや!! 麻子は蛇か何かの腹の中にいると思っていた。泣き声でタツヤがいることに潮は気付いた。「そいつに伝えとけ、助けてやるから泣いてんじゃねーぞってな! 麻子、待ってろよ、いいな!!」潮は電話を切った。麻子とタツヤのボートは人魂と難破船の残骸の漂う、奇妙な水面に浮かんでいた。「寒いよぉ、母ちゃん」パチィンッ! 泣くタツヤに、麻子は自分の頬を自分で叩き、「よぉしッ!」水着の上に来ていた半袖の勢いよく脱いでタツヤに着せ、タツヤを抱き締めた。「頑張ろうね、タツヤくん」「怖く無いの?」「怖い時に怖いと思ったらダメなの、心が挫けちゃう。だから、お姉ちゃんは我慢するの。やせ我慢だけどね。それに今はタツヤ君がいるし、あいつも来るって、行ったよ」麻子はタツヤと自分に言い聞かせた。
「あぁ、ちっくしょう。変な化け物だぜ、どうなっとんだコイツの中は?」とらはあやかしの腹の中の天井? に張り付いていたが、麻子とタツヤの悲鳴を聞いた!「あ?」麻子達のボートが水面から現れた死霊とも消化器官とも知れない者どもに囲まれていた。(ちぇっ! 今回だけは潮の機嫌取っとくかぁ)麻子達に襲い掛かった消化器じみた化け物達はとらの雷で滅せられた! 中空から自分を見下ろすとらに、麻子は遭遇した。
夕日の海を真っ直ぐに、
6に続く
「大きな怪物に呑み込まれた? どういう」「貸して!」麻子からの電話に戸惑う麻子の祖父から受話器を取る潮! 麻子はあやかしの腹の中から麻子のスマホで電話を掛けていた! 最近のスマホの高性能ぶりたるや!! 麻子は蛇か何かの腹の中にいると思っていた。泣き声でタツヤがいることに潮は気付いた。「そいつに伝えとけ、助けてやるから泣いてんじゃねーぞってな! 麻子、待ってろよ、いいな!!」潮は電話を切った。麻子とタツヤのボートは人魂と難破船の残骸の漂う、奇妙な水面に浮かんでいた。「寒いよぉ、母ちゃん」パチィンッ! 泣くタツヤに、麻子は自分の頬を自分で叩き、「よぉしッ!」水着の上に来ていた半袖の勢いよく脱いでタツヤに着せ、タツヤを抱き締めた。「頑張ろうね、タツヤくん」「怖く無いの?」「怖い時に怖いと思ったらダメなの、心が挫けちゃう。だから、お姉ちゃんは我慢するの。やせ我慢だけどね。それに今はタツヤ君がいるし、あいつも来るって、行ったよ」麻子はタツヤと自分に言い聞かせた。
「あぁ、ちっくしょう。変な化け物だぜ、どうなっとんだコイツの中は?」とらはあやかしの腹の中の天井? に張り付いていたが、麻子とタツヤの悲鳴を聞いた!「あ?」麻子達のボートが水面から現れた死霊とも消化器官とも知れない者どもに囲まれていた。(ちぇっ! 今回だけは潮の機嫌取っとくかぁ)麻子達に襲い掛かった消化器じみた化け物達はとらの雷で滅せられた! 中空から自分を見下ろすとらに、麻子は遭遇した。
夕日の海を真っ直ぐに、
6に続く