ヒーリングプレイス

さてさて引っ越して来てから早くも半年が経ちました。

家具なんかは揃ってきましたが、肝心の冷蔵庫がまだないままの自分は相変わらずコンビニでご飯を買います。

ありがたい事にマンションから300メートル先にはスーパーがありますが、面倒がり屋の自分はマンションから歩いて50メートルのローソンに行きます。

そら毎日毎日そうしなければいけないと決められた様にローソンに行きます。
そら大体のお弁当のカロリーと値段を把握してしまうぐらいに足しげく通っています。

このローソンの店員さんは癖のある人が多く、山陽電鉄の車掌さんみたいにフワフワしゃべるけど、やっぱり何を言っているのか全く聞き取れない男の人や、いや動きやすいかも知れんけど、店的にどうなんって思うくらい毎回スエットパンツでバイトをしている中年の女の人。
そして自分が今一番気になっている小林さんなんかがいます。

小林さんは、少しポッチャリした、魚介類系の憎めない顔をして、年令が分かりにくい見た目です。
いかにも服装にはこだわりがないといったシンプルなメガネをかけていて、口には髭を生やしてと言うよりは、生えていると表現した方がよい、長いうぶ毛の様な柔らかいであろう髭がはりついています。
自分はやわらかそうな髭の感じと、彼のきめ細かいモチモチの肌から、まだ20代前半だと推理しています。

小林さんは大体ブルーのデニムを履いていて、何だかいつも寝癖がついた髪型をしているイメージがあります。

そんな小林さんの一番の特徴は、とにかく遅いと言う事です。

小林さんは自分が引っ越して来てからしばらくして見かける様になったので、もう４ヶ月くらいは働いていると思います。

最初は慣れない事もあって考えながら作業をしているから遅いのかも知れないと思ったりしましたが、今でもブレずに、ローソンで軍を抜いて遅いです。

レジ云々の作業が要領が悪くて遅いと言うよりは、他の星から来たみたいに仕草全てがゆっくりで、誇張でも何でもなく本当にスローモーションの様に見えます。

せっかちなお客さんはイライラしたりするのかも知れませんが、時間が有り余っている自分はゆっくり動く癒し系の小林さんのレジに好んで並びがちです。

小林さんにレジをしてもらっている時の自分の脳波は動物園でパンダを見ている時と多分全く同じです。



そんな小林さんにも、入れ替わりが激しいコンビニバイトなので何人かの後輩が出来ました。
勿論相変わらずどの新人さんより遅いですが。



つい最近小林さんの名札が、いつもと違って緑色や黄色でカラフルになっている事に気付きました。

近づいてよく見ると小ぶりの初心者マークシートが3枚も貼ってありました。

他の店員さんや、小林さんより後から入って来た店員さんを見ても名札にはシンプルに名字が書いてあるだけで、自分は「いや、めっちゃイジられてるやん。初心者マーク3枚てどんだけ初心者やねん」と心の中で突っ込みしました。
それが数日前の話です。


そして今日も自分は飽きずにローソンに行き、またしても小林さんのレジに並びました。

小林さんの名札の初心者マークが2枚になっていました。

自分は「いやこの数日で何があってん」と心の中で突っ込みました。


何やねんこの話って思った方は正常です。

自分でも、日記を書いていて、いや何やねんって思いました。