口とは違いピアスを隠す事ができないので父と母に「ピアス開けるで」と言った。自分の親は昔の人でありもちろん自分がピアスを開ける事に反対していた。「せっかくキレイに生まれたのにワザワザ自分に傷付けんでいい」とか言われた。それでも自分は開けたいと言った。おじいちゃんやおばあちゃんが悲しむと言われた。ちょっと悲しくなった。自分は本当におじいちゃんとおばあちゃんが大好きだからである。おじいちゃんやおばあちゃんにすれば髪を染める=不良の発想である。ましてや孫がピアスを開けるなどおじいちゃんやおばあちゃんにとっては天地がひっくり返る程ありえない事なのである。
おじいちゃんやおばあちゃんは本当に優しい。自分は1度も怒られた事がない。おじいちゃんやおばあちゃんには今7人の孫がいるがみんな対等に扱ってくれる。未だ2歳や生まれたばかりの孫もいる。当然自分みたいなハゲや兄の様なもう大人より確実に可愛いのにだ。いつもニコニコして自分に優しく話しかけてくれる。自分や兄にとっておじいちゃんやおばあちゃんは神様に近いと言っていい。神様と言うのは少し大げさであるが、キリストやガンディーのような徳の高い人のような存在である。自分や兄がおばあちゃんの家に行くと決まっておじいちゃんやおばあちゃんは自分達に1万円をくれる。自分達が田畑を汗水たらし育てた米や野菜を売りやっと儲けたお金なのにである。自分と兄はいつも「いらない」と言うがおじいちゃんやおばあちゃんは「もろときもろとき」と言いお金を渡してくる。自分と兄はその場ではお金をもらうが、ドアの間に挟んだりしてお金を置いてくる。もちろんもらう事もあるが。本当におじいちゃんとおばあちゃんには頭が上がらない。そんなおじいちゃんやおばあちゃんを悲しませたくはない。しかし兄はもうすでにピアスを開けている。いつもおじいちゃんやおばあちゃんの前では外しているが。だからおじいちゃんやおばあちゃんには何か悪い気もするがピアスを開ける事にした。
ピアッサーを使ったからか痛みが全く無かったのに驚いたがピアスが開いたが嬉しさはない。親とおじいちゃんやおばあちゃんに悪い気がした。ピアスもやっぱり自分には似合っていない気がする。右にも同じピアスを開けようと考えていたが周りの反応を見てからにしようと思った。やっぱり外そうかとも考えている。