じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

札幌~稚内へ

2015-09-06 09:25:44 | 2015年北海道ツーリング

8月27日(木)曇り時々雨(ツーリング3日目)

窓の無いカプセルホテルは外の天気が判らない。
朝一番、ツーリングをしていて気になるのは天気だった。
もそもそと箱から這い出し窓を見に行く。

ああ、やっぱしかぁ~、と自分に言い聞かせつつ雨模様の空を受け入れようと務める。
これから320キロを走るのだが、それだけ移動すれば天気も変わるだろうと思いたい。
しかし、予報では目的地の稚内も雨だった。

今日からが本番なのに気持ちは既に後ろ向きになっていて、近場をサラリと回って帰っちまうか?なんて事が頭を過る。

一泊2800円の格安カプセルホテルには朝食がついていた。
7時からの朝食にいつまでも起きない株キチを叩き起こして食堂に行った。

夜は居酒屋の広い食堂は超満員で隙間を見つけての相席が当たり前な状態だった。
大半が勤め人と思しき客層を見て頷けた。
すすきので飲んでタクシーで帰るよりもカプセルホテルに泊まる方が安上がりな上に遅くまで寝ていられるのだろう。
フロントで安い靴下や下着、ワイシャツまで売っていた理由も呑み込めた。

いや、今時の都市部の事情を知らないので大袈裟に驚いたのだが、自分がサラリーマンだった時の事を思い出せば当たり前の風景だった。

徒然草人生に入って早くも二年目の自分からは社会性がすっかり抜けている事に気がついた・・・止まった時の中での現実との乖離。

ホテルを出る時は合羽を着る程でもないと思しき空模様だったが気温が低い事もあって合羽を着込み足下もスパッツで固めた。

出掛けに雨が無いのは助かる。
北海道は一本道で単純とは言え、札幌の様な都市部からの脱出にはスマホナビの助けが無いとまごつく。
普通に稚内を目標にしてナビをセットすると道央自動車道に案内され内陸部を旭川方面に連れて行かれる。

自分は左程遠く無い石狩市をセットした。
札幌から石狩市へは国道231号線で行くのだが、それに乗ってしまえば稚内までは一本道なのだ。

海沿いを走る国道231号線は晴れていれば絶景だろうが、小雨模様で鉛色の空と海の境が分からない単調な道になっていた。

時折冷たい風が突風で吹き大粒の雨が叩き付けた。
走り出して2時間もするとバイクの防水防寒を舐めた服装で来た株キチが寒さに根を上げた。
北海道と言えばセイコーマートと決まっているコンビニで停まり暖かい缶コーヒーと甘い物を食べた。

普段間食は絶対にしない自分だがバイクに乗っている時の休憩時には饅頭や大福などの甘い物が欲しくなる。
始め砂糖を嫌っている自分は軽い罪悪感を伴って食べるのだが、何れこれが癖になり、やがては禁断の洋菓子類のエクレアやシュークリームを食い出すのだった。
いや、これが癖になってツーリング中に体重が増えて後で困るのだが。

留萌の町で今日二度目の給油をした。
50キロから60キロ未満で走ればリッター60キロは楽に走るカブなのだが、北海道の国道の流れは速く、エンジンは常に限界近くで回りっぱなしだ。
そうすると流石のカブの燃費も落ちてリッター50キロがやっとになる。
タンクが小さいので航続距離は短くなり、頻繁に給油する。
走行距離では150キロが目安で一度の給油が概ね3リットル、380円程だった。


蕎麦屋の席から見た寒い風景

留萌の町を過ぎたらと様子がても寂しくなり昼飯が喰えないかもしれない危険を感じた。
そんな時に目に入ったのが小洒落た蕎麦屋だったのだが、これが靴を脱いで上がる店で身支度を説くのに一苦労した。
なんとなれば、自分の足下は編み上げの登山靴で、しかもスパッツまで巻いているのだ。

普段蕎麦と言えば「天ざる」以外に興味が無い自分が温かい「かしわ蕎麦」を頼んだ。
温かい物が欲しくなる程に身体は冷えていたのだ・・・月末とは言えまだ八月なのに。

国道231号線は一本道で繋がっているのに留萌から先で232号線に変る。

天塩町の道の駅で小休止をした。
時刻は既に2時を回っていた。
道の駅のすぐ近くには結構設備の整ったキャンプ場が有り、気持ちが惹かれた。
しかし、明日の事を考えれば稚内まで行くべきなのは間違いない。
雨の降りそうな曇り空から薄日の射す天気になった事も手伝って先へ進む事にした。

眠気覚ましのガム代わりだと言って株キチが土産物売り場でホタテの貝柱の干物を買った。
一粒貰ったが固くて難儀した。


北海道立 宗谷 ふれあい公園 キャンプ場

自分の格安スマホのキャンプ場情報で名前と場所を決め、株キチのスマホのナビで行こうとしたのだが、天下のiPhoneはあんまし芳しく無く時にあらぬ方向へ誘導する。
結局は自分のスマホナビで辿り着いたのだが、小一時間のロスを出し5時近くになっていた。

テントが小さいため一区画に二張り張れるので料金は二人でたったの500円。
好きな所を選んで良いと言うフリーサイトに二つ並べて張った。
カブキチは新品のテントの立て方に手こずったが、小さな個室には満足した様子で悦に入っていた。

夕暮れが迫っていた。
急いで最寄りのコンビニ、セイコーマートに晩飯と酒を買いに走った。


キャンパーハウス 諸設備完備 120点!!!

記念すべきキャンプ第一夜の晩飯を外で食べたかったが時折ぱらつく小雨と寒さに追われキャンパーハウスに逃げ込んだ。


心温まる掲示板 風雨の時はここで寝ても良いと

キャンパーハウスにはトイレ・シャワー(無料)コインランドリー(有料)が有り、そして、電源が解放されていてスマホの充電が出来た。
さらに、自由に見られるテレビが設置され、数は少ないが漫画本や観光案内書まであって至れり尽くせりだった。

熱いシャワーを浴びさっぱりし、キャンパーハウスで二人宴会をした。
都合360キロも走った疲労から9時過ぎにはテントに入った。

明かりを付けて漫画を見ていた株キチはアッと言う間に落ちて大イビキをかき出した。
10時頃、ポツポツと落ちていた雨粒が強風を伴ってテントを叩くようになった。
株キチのイビキと雨風の音に苛まれ寝袋を持ってキャンパーハウスに逃げ込んだ。
しかし、そこには自販機が三台有り、それぞれが好き勝手にコンプレッサーを動かしていた。
酒を飲んでいた時には気にならなかったが寝ようと思うと中々の騒音だった。
株キチのイビキと風雨の音と自販機の唸り音・・・似た様な勝負だ。

動くのが面倒なので自販機の騒音とともに寝る事にした。


元気に走った 小さなカブッチ お休み中

続く



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