じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

ツーリングに行って来ました。

2020-10-30 16:27:56 | ツーリングと山と温泉
まっ、昨夜も断片をUPしているのでもはや新鮮味は無いのですが、一応儀式として書き留めないと気が済まないのでご容赦ください。

今回のツーリングのテーマは「庭」でありました。

自分も庭師見習いなので人様の作った庭興を見て勉強させてもらっているわけであります。

で、まだ修行も駆け出しの頃に親方から「東北に見るべき庭は無い」ってなことをきっぱりと言われたのが忘れられないわけであります。
その時、東北で強いて言えば平泉くらいのものか、と言うのと、言ってる意味がわかるためには京都や奈良を始めとする基本的な庭の趣がわかっていないとダメだ、と言われたのであります。

で、あれから結構な庭を見たり自分でも少し弄ってきて、己の見方と言いますか、まっ、好きな庭の形なんてのが定まって来たわけであります。

そんなわけで、この度は「紅葉と庭」ってな趣を求めて秋田県のかつての大地主の庭など見に行ったのでありました。

さて・・・秋田の庭はどんな感じだったのでありましょうか?
では、道順に従って行きたいと思います。

10月29日、仙台の朝は晴れて温かでありました。
このまま行ければ良いのだが、と思いながら家の近くのETC乗り場から東北道に乗った次第であります。

家を出たのが遅く途中でガソリンを入れたりして、高速に乗った時刻は9時20分頃でありました。

高速に乗ってすぐは寒さを感じることも無く、仕事で急ぐ車の早い流れに乗って快調でありました。

が、北へ向かうにつれ雲行きは怪しくなり、北西の風も強まり嫌な雰囲気が漂ったのでありました。

で、岩手県は北上ジャンクションで秋田道に入るわけですが、ここら辺りから気温もぐーんと下がり寒いと感じるようになった次第であります。

余談ですが・・・体感温度と風速の関係ってのがあるわけですが、テレビの気象予報士さんなどが「風速1メートル増すごとに体感温度は一度下がると言われています」なんてことをのたまいますが、これは嘘であります。

それがホントーなら気温10度の時に風速20メートル吹いたら体感温度は氷点下10度な訳ですが、そんなことは無いのであります。
詳しく書くとナニなんですが、リンケの式ってのがあって体感温度=気温-4×√風速ってなっているそうであります。

で、何が言いたかったのかと申しますと・・・高速道路を時速100キロで走っている時の風速は28メートルくらいなので体感温度はめっぽう寒いと、それが言いたかったのであります。

さて、秋田道に入って最初のパーキング「錦秋湖SA」に立ち寄りました。
家を出てからかれこれ1時間半ほど走ったわけで、トイレタイムであります。
で、トイレからバイクに戻るとパラパラと雨が落ちて来てまして、高速の掲示板も「この先雨」と出ていたので合羽を着用した次第であります。

なんと申しましょうか・・・もっと早く着るべきであったと、合羽の防風性能による絶大な保温効果に萎えかけていた気持ちが救われたのでありました。

で、ここでスマホナビを最初の庭の目的地「旧池田氏庭園」にセットしました。

今回は6つの庭を下調べして来たんですが、どーも下馬評によると池田氏庭園が本命らしいのでいの一番に行くことにした次第であります。

と、言うことで池田氏庭園に向かおうと高速を降りて走っているとラーメン屋の看板が目に入ったのであります。
それは家の近所にもある「幸楽苑」なのですが、結構辺鄙なところに来ていましてここを外したら昼飯にありつけない恐れがあったのであります。

そんなわけで池田氏庭園は後回しにして幸楽苑でプレミアム中華と半チャーハンを食し、身体を中から温めて目的地を目指したのであります。

いや、飯を食べると身体が中から温まると言いますか、寒さが骨まで届いていたのが精々筋肉止まりになって救われました。

さて、ラーメン屋から池田氏庭園までは15分ほどでしたが、残り少なくなったガソリンも入れなくてはと言うことで少し遠回りでしたがスマホに出ていたガソリンスタンド経由で辿り着いた次第であります。

まだ小雨がぱらついていたので合羽を着たまま受付に行き300円の入園料を払って入らせていただいた次第であります。

池田家 正門

秋田県は大曲の大地主である池田家の庭を見に来たわけですが、池田家ってのは大正時代の東北の三大大地主の一人で、その規模は所有田畑1200町歩で小作人が1250人もいたそうであります。

ちなみに1町歩は1haで3000坪なので360万坪、東京ドーム253個分であります・・・って、余計に想像つかなくなりますかね?

で、庭を作ったのが長岡安平という造園家なのですが、自分の認識では古典的庭師の造園では無く公園的な作庭をすると認識していた人であります。

無難な風景ですけど

さて、この施設は池田家の資料館みたいなものでして特別庭を強調しているものでもない様子でありました。
なので古い建物と民具などの展示もあり、どちらかと言えば庭に金はかけていないなと、自分は思った次第であります。

石灯籠越しに洋館を見る位置が一等地か?

で、庭仕事をしていた人に「この庭はどこから眺めるのが一番ですか」と問うてみたのですが返事は「どこだべなぁ〜木が大きくなって纏まらねぇんだな」とのことでありました。
確かに、自然樹形といえばそーなんですがここは作られた庭なので好き放題に伸びた姿は自分としてはイマイチと思いました。

婆様が鎌で草取りをしていました

と言うことで、建物や文化的な展示物には興味がないので軽く1周して終わりました。
で、洋館を奥にして手前に池と雪見灯篭ってことで自分は青森県の「盛美園」を思い出しますが、まっ皆までは言いますまい。

で、次に向かったのが「坂本東嶽邸」であります。

威厳のある門構えであります

ここの拝観料も300円でした。
で、どー言うわけか入ってすぐの券売所には「千屋断層学習館」なる建物があって入場すると有無を言わさず明治29年の陸羽地震の説明が始まるのでありました。

苔と石の塩梅がとても良いものでした

いや「庭を見に来たのですが」とやんわり言ったのですが係りの人は滅多にこない客を捕まえたからか熱心に説明してくれたのでありました。

そんなわけで、一通り未曾有の大災害の講義を受け庭の見学に回ったのは30分後でありました。

茶室があって奥の離れまで飛び石を配した庭は落ち着きと趣のある静かな庭でありました。

もう少し見通しが良ければと思うんですが

なんと申しましょうか、お金の問題とは思うのですが、樹木が伸びすぎ庭の手入れが行き届いているとは言い難いと自分には思えたのですが、まっ、余計なお世話であります。

と、言うことで、ここの庭は自分としては好きなタイプの庭でありましたし建物も大正時代の味わいがそこはかと無く滲み出ており靴を脱いで上がりたかったのですが如何せん合羽を着ているしバイクのブーツを脱ぐのも面倒なのでやめました。

で、もう1軒くらい行きたかったんですがどーにも雨脚が気になりまして、すぶ濡れになる前に宿に入りたくなったのでありました。

そんなわけで庭巡りは呆気なく頓挫し、一路田沢湖高原温泉を目指した次第であります。

で、田沢湖の曲がり角まで来た頃、雨が止んでいたので湖水を眺めに走ろうかと思いましたが宿とは反対方向なので思いとどまりました。

で、至る田沢湖温泉・乳頭温泉の看板を見つつ登って行くと勝手知ったる秋田駒ケ岳の八合目まで登れる山岳道路の角に来たわけであります。

ここの八合目の小屋には何度か泊まって朝一で駒ケ岳に登るなんてことをやっていたので懐かしくほとんど無意識に曲がっていたのでありました。

小屋は冬仕舞いで窓は板で閉ざされていた

いや、登り始めてすぐに後悔しました。
雨がまた降り出したのもナニなんですがそれよりも気温の低下が半端無くクラッチもブレーキも握れないほどに悴んだのであります。
そして、登るにつれ落ち葉が多くなり濡れた路面と相まってABSが作動した時になるピーっと言う音が鳴りっぱなしでありました。

と、まぁ、登り切った八合目駐車場には車も人の影も無く限りなくさみしい思いに駆られ軽く雪化粧した駒ヶ岳と愛車の写真を撮ってすぐに降った次第であります。
この時、雨は霰のような雪に変わったのでありました。

光る田沢湖の湖面

で、八合目あたりだと木々は葉を落とし裸でして、少し下ると終わった枯葉色の紅葉であります。
そして、さらに下ると今が盛りの紅葉なんですが、その時、一瞬でしたが日差しがあり山が燃えたのであります・・・が、カメラを取り出す間も無く日は陰りましたけど。

で、田沢湖が見える所が数箇所あるんですが、差し掛かった時に微かに陽が射して来たのであります。
もしかしてこれは、と慌ててバイクを止めカメラよりも取り出しやすいスマホを構えたら大当たり・・・でも、スマホの解像度ではトホホなんですけどね。

と、言うことで身も心も悴んで宿に到着してチェックインしたのが午後四時でありました。

つづく













コメント
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