地に堕ちた吉兆

船場吉兆、希望退職募る　給与１カ月分を補償(朝日新聞) - goo ニュース

ミートホープ、赤福、御福餅・・・
今年色々な会社の不祥事があった中で、もっともタチの悪い不祥事が吉兆と言って間違いないだろう。
というか、商品の原材料表示の順番を並び替えただけの崎陽軒と吉兆を同じ「食品業界の不祥事」と扱ってしまっては、崎陽軒が気の毒だとさえ感じる。

元はと言えばデパチカに並んだ商品の賞味期限を改ざんしていた事から始まった話。
この時点でトップが素直に過ちを認めておけばよかったものの、「パートが悪い」と責任を弱いものに押し付け、世間の反感を買った。

そして出てくる出てくる生産地の偽装。
但馬牛と偽装された牛肉の産地、佐賀県の代表が自分のブランドを傷つけられたと吉兆の本社にまで押しかける羽目となった。

で、結局は希望退職者の公募。
反省をせず、責任を下へ下へ押し付けた企業の末路ということ。

ところで、どこかの雑誌に載っていたのだが、いわゆる「料理評論家」と呼ばれる人の多くは、今回の吉兆の一件に対して取材拒否を貫いているのだとか。
「おいしゅうございます」のオバハンも、「料理は心や」でおなじみの関西の大御所も、食育をキーワードに多方面で活躍する料理学校の校長も、みな口をつぐんでいるらしい。

広いようで狭い料理の世界。
下手に批判めいた事を言ってしまっては、今後の活動、そしてこれまでの活動に傷がついてしまうと言う判断か。
吉兆の一連の行動は「食育」の発想とは正反対のものだと思うけど。