無題 バリケイト伊東

　　東京は曇りだ。静かな朝だ。国政選挙は、始まってる。選挙の話で盛り上がる事はない。今日も朝から殺人、詐欺、芸能人ほれた、はれた、食いもの、日本村のメニューは同じだ。語るのも疲れる。日本を変えられるのは、自然災害による大破壊であろう。近い内に大地震が東京を襲うかもしれない。ホームで電車を待つ能面のような無表情の通勤客は、何を考えてるのだ。もともと、日本人は個性がとぼしい。子供の頃から、団体主義を叩き込まれるから、個性がとぼしくなるのだ。同じ制服を着て、同じ体操服を着て、同じ物を食べて、いつも一緒に行動するように言われる。息苦しさを感じるのは、私ぐらいか。いつもまとまりを大切にされるように言われる。いま、オリンピックを成功させるために、国民は心をひとつにまとまらなければいけない、なんていう雰囲気が出始めてる。戦前の軍国主義の時代と同じではないか。多様性の時代、多様性を大切と言いながら、全体主義的な発想が日本では簡単に受けいられてしまう。１億２千万人がひとつの価値観にまとまるなんて恐ろしい事だ。安部ら達の右より連中の天皇を中心にした国作り構想が見え隠れする。政府がやる事に反対する人間には、非国民のレッテル張りだ。私などは、完全に非国民であろう。日頃から安部の馬鹿野郎、くそ野郎と罵倒してるのだから。今の日本の雰囲気は異常だ。権力に盲従して、噛みつかない人間が多すぎるのだ。特に若者に多い。日本には香港のような権力に噛みつく若者は少ない。日本は消えてゆく運命なのかもしれない。政治的活性度の低い国は消える運命だ。軍備を強化したところで、日本を守れる保証はない。日本の敵対国の中国、ロシア、北朝鮮は核兵器を持ち、日本よりはるかに強い。戦争で勝った、負けたと大騒ぎしたところで、町は破壊され、多くの人間
が死んでは意味がない。日本が戦争をしかける事はないであろう。中国やロシア、朝鮮半島に因縁をかけて侵略するのは、できないであろう。反対に日本は侵略され国が消えてしまう。戦争は、愚かな行為だ。平和が圧倒的にいいのだ。しかし、長く続く平和は、日本人を去勢させてしまった。政治的に去勢された民族は、政治から距離を置くようになる。外国で戦争が起きても、暴動が起きても関係のない話だと、無関心を装う。今のあくびが出るような平和は永遠には続かない。人間の本質は悪と罪だ。人間界から戦争と犯罪はなくならない。