疑うことが、大事。
大疑大進、は朱子の言葉。
大きく疑う者が、大きく進む。
鵜呑みにしない。
自分のアタマで考える。
って綺麗事を言っていても、どうしても、人間は、周りに影響される。
常識は、感染る。伝染性がある。
同調圧力から完全に自由である人はいない。
10年前、通勤電車でリュックを背にしても白眼視されなかった。
20年前、パワハラ的でない上司はいたのか?
30年前、「飲酒運転をしたことない人」を探すのは難しかった。
35年前、日本男子は暑くても外出時に短パンを履かなかった。
40年前、真夏でも野球部などは水を飲めなかった。列車で普通にタバコ吸っていた。
60年前、日本のサラリーマンは出勤時にみんな帽子をかぶっていた。
70年前、20代の若者で共産主義にシンパシーを感じないものはほとんどいなかった。
80年前、日本の喪服は白だった。
100年前、偉い人はみんな愛人を囲っていた。渋沢栄一とか松下幸之助とか。
160年前、武士は丁髷➕二本差しだった。
これみんな、当時の「常識」に近い、同調圧力。
人間のうち、同調圧力から全く自由である人はいない。
おそらく、生存本能として、「周りから浮かないようにする」「ある程度は同調する」ってプログラムが、我々人類のDNAに組み込まれているはず。
そう。
人間は、誰だって、同調圧力に、ある程度、屈するのです。
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つまり、認知が偏る。同調圧力に影響されて、我々の、認知・常識は、歪む。偏る。
だからこそ、その「認知の偏り」を是正する工夫・仕組みが、重要。
日本の大企業で伝統的に行ってきた、定期的な異動=ジョブ・ローテーションというのは、この「認知の偏り・歪み」を是正するための、いい工夫だった。
あまり論じられないが、実は、この、終身雇用的な日本企業が、ジョブ・ローテーションを行って、認知の歪みを矯正してきたことが、日本の高度経済成長の、一つの原因だった、と言えそうですね。