峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

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奇跡のササユリ

2021年06月08日 | 移住
庭に自生するササユリが開花した。現在、4本のササユリが花を咲かせている。

我が家の庭にササユリが咲くのを知ったのは去年のことだ。庭の片隅でひっそりと白い花を咲かせているのを女房どのが発見した。
実は、ササユリという植物が存在すること自体、女房どのも私も知らなかった。それなのに何故、それがササユリだと分かったかというと話は少々長くなる。

我が家から車で15分程車で走った所に佐用町西新宿という自治会が運営するショウブ園がある。昨年のこの時期に訪ねたみたのだが、そこでササユリの存在を初めて知ることになる。
花の時期には少し早かったようでササユリの花そのものを見ることはなかった。ただ、ササユリの保全活動に取り組んでいるとの案内板が心に留まっていた。

それが伏線のように働いたのは間違いない。女房どのは、その葉が竹の笹にそっくりなことからそれがササユリだとぴんと来たのだ。

さて、ご多分に洩れず当地も鹿やアナグマが出没する。むやみに彼らが入ってこられないよう敷地の一部をネットで囲っている。
前年まで、そのネットぎりぎりまで草を刈っていたのだが、昨年は、たまたまなおざりに済ませていた。その刈り残していた個所の一角からササユリが芽を伸ばしていた。全く何が幸いするか分からないものだ。

さらに話は続く。
昨年末から今年にかけ、敷地の周囲のヒノキ林の枝打ちと雑木林の整理に力を入れて取り組んできた。
今季、それがまたもや思わぬ出来事をもたらしてくれた。ヒノキ林の中や雑木林の隅にササユリが顔を出してくれている。どうやら、彼女たちは、陽光が射すか射さないかくらいの微妙な場所を好むようだ。

その美しい草花や風景の写真に心惹かれ時折、訪ねさせていただいている「延岡の散歩人k」さんのブログに当方のササユリとの出会いを綴らせていただいたところ「これは凄いことですね。まさしく神様からの贈り物」と言っていただいた。
kさんによるとササユリは、動物の食害や盗掘によって全国的に個体数が減少し、延岡の行縢山(むかばきやま)では人が近づけないような崖っぷちで生き延びる高嶺の花となっているそうだ。

そのようなことなど露ほども知らなかった私と女房どのは、二人してただただ出会いの妙に心を動かされ、花の美しさとその芳香にうっとりしている。