峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

since 2005

目が回る

2007年02月24日 | 町内会長
昨日は、町内会のご高齢者に集っていただき、昼食と歌や踊り、ゲームなどを楽しんでいただく地域デイサービスを行ない、直後に社会福祉協議会の依頼による地域福祉懇談会を開き、その後4時半から小学生の授業が入っている日でした。
ところがです。この忙しい日に、朝から悪質な手口の訪問販売の一団・10人ほどが福岡から車2台に分乗し、町内会のご高齢者を対象に魔の手を伸ばす日ともなり、その対応におおわらわでした。

この日、いつものように朝8時半から集会所に入り、地域デイサービスの準備を進めているところへ、変な人たちが町内会をうろついているという報せが入りました。
表に出ると、福岡ナンバーのワゴン車と、こちらの目を気にする人たちのかたまりがすぐ目に入ったので、彼らの元へ生き、とりあえず挨拶を交わしました。

明らかに不当だ、違法だというようなことをやっていない限り、彼らの行為を咎【とが】めることはできません。また、彼らの前で、ご高齢者にもらってはダメだ、買ってはダメだということも言えません。ただ、彼らに対し、ちゃんと見ていますよというサインを送る必要はあると考えました。その後、しばらく町内会を回り、集会所に戻りました。

さて、正午になり、昼食の時間となりました。しかし、出席を予定しておられた方々のうち、4人がお見えになりません。来られた方からいろいろお話を伺っているうち、隣の町内会のある方の家に連れて行かれたというのが分かりました。
タダの物を受け取らせたり、100円、200円という安い値段の商品をちらつかせたりして、1ヶ所におびき入れているのです。そうしておいて、購入せざるを得ないような心理状態をつくりあげ、高額な商品を売りつけようというものです。
集会所にお集まりのみなさんには食事を始めていただき、私は4人の奪還【だっかん】に向いました
詳述【しょうじゅつ】するのが困難なほど、いろいろありました。90歳のご婦人は契約書に書きこむところまで話が進んでいました。最悪、クーリング・オフで対処しようと考えましたが、彼らと丁寧に、かつ、穏やかに交渉することで、二十数万もする岩盤浴効果があるという小さな石の入った箱を買わないよう思い留まっていただくことができました。

その後、集会所にお連れし、食事をしていただき、後のゲーム等を楽しんでいただきました。
直後、役場の中で、このような悪徳商法に対処する部署である産業経済課に電話を入れ、彼らの動きに注意するよう頼みました。

その後、1時間の地域福祉懇談会を開き、役場に提出すべき書類を持参したついでに、産業経済課に顔を出すと、様子を見に出かけてくれていました。彼らと情報を交換をし、対処について意見交換し、大慌てで帰宅しました。その後もいろいろあり、たいへんな1日となりました
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きみは 極楽浄土【ごくらくじょうど】を見たことがあるかい

2007年02月21日 | 暮らし
昨日、こちら佐々町は初夏を思わせるような好天でした。
きょうは全国的にいいお天気のようですね。佐々町も、朝から雲一つなく晴れ渡っています。洗濯物がよく乾くだろうなと思うだけで、なんだか嬉しくなっちゃいます

昨日、町内会の防犯灯助成金申請の書類を提出しに役場を訪れた際、「佐々町さくらウォーキングマップ」のパンフレットが目に留まりました。
私が暮らす佐々町は「佐々千年さくらの里」作りという事業を行なっています。佐々の町を千年に渡って桜の花の咲き乱れる里にしようという試みです。すでに、これまで約120品種・1,500本の珍しい桜が町内全域に植樹されています。
ウォーキングマップは、そのいくつかの名所を町内の見所と結び、美しい桜の花の咲く頃、風流に巡り歩いてもらおうということで作られたようです(いいアイデアなのに宣伝が足りないなぁ)。
全部で5コース設定されています。片道1,5kmから3,5km程度で、川沿いのコースあり、山岳のコースあり、街を縦断するコースありで、けっこう楽しめそうです。

我が家の裏庭にも桜の木が1本あります。私たちが、ここに家を建てる前からあったもので、そこそこの樹齢だと思われます。
四季折々、いろいろな花の美しさに心を奪われますが、それでも、やはり桜の花に対する思いは特別なものがあります。

こう、記していて、数十年前に亡くなった伯父【おじ】の告別式の日のことが思い出されました。
式は、伯父の自宅で営まれました。この日、屋内に入りきれないほどの参列者の数で、私は庭にいました。
導師さまの低く流れる読経【どきょう】を聞きながら、私は在りし日の伯父や従姉【いとこ】たちとのことを思い出していました。
すると、サァ~ッと風が吹き渡ったかと思いきや、次の瞬間、桜の花びらが頭上からハラハラと舞い降りてきたのでした。
その瞬間、私は、何とも言えない幸せな気分になりました。
今思うと、楽園とか極楽浄土【ごくらくじょうど】とかというものは、きっとこのような光景で、このような気分でいられるにところに違いないと思われるのです。
私は、しばし、うっとりとして、散る桜の花びらに包まれていたのでした。

さて、一汗かいた後は、福祉センター内にある大浴場で汗を流されてはいかがでしょう。毎日10:00~16:00まで(火曜日は掃除のため14:00まで)開いています。町外の方もOKで、料金は150円です。お近くの方は、ぜひお出かけ下さいませ。

見ごろは、例年3月下旬から4月上旬あたりですが、今季の暖冬の影響でどうなるのか気になるところです。
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自由だ~!

2007年02月19日 | 夫婦
我が家の猫のみぃーちゃんですが、この季節、朝のお出かけの時刻がだいたい8時頃です。
雨が降っていたり、冷え込みが厳しい時は、それより少し遅くなりますが、それでも必ず1日に1度は外に出してくれと訴えます。それが例え、どしゃ降りの雨の日であってもです。
家の中はエアコンが効いていて快適だし、安全だし、食べ物にも困ることなく、何一つ不自由はないはずなのに、何をわざわざ嵐の日に出かけて行くのだろうと、こちらは勝手に思うのですが、やはり彼は出かけるのです。

朝、表に出たみぃーちゃんは、日中のほとんどを家の敷地内で過ごしています。時には目の届かないところまで出かけているようですが、それでもせいぜい直径30m以内までの所のように思われます。

私がご近所を訪問する際、3軒先まではついて来ます。1度、お隣のお勝手口でお隣さんと話していたら、台所に上がりこんでしまったことがありました。それ以来、みぃーちゃんの動向に気を付けながら、伺った先の方とお話しています。

表で、強風に踊る草花にじゃれ付いたり、小鳥たちの飛翔に目を輝かせたり、お気に入りの場所でまどろんだり、時には猫仲間とケンカしたりと精一杯に命を輝かせているみぃーちゃんの様子を見ていると、ああ、やっぱり人間と同じなんだぁと思います。

それを手にいれるために、多少、困難なことや、辛【つら】いことや、いやなことがあったとしても、人間であれ猫であれ、生きとし生ける者は、あらゆるものから自由でありたいのです。
与えられた権利や、押しつけられた価値観なんてごめんだし、だれかにとって都合のよい常識なんかに縛【しば】られるのは、真っ平ごめんだし、限られた枠の中に閉じ込められた偽【いつわ】りの自由なんて欲しくはないのです。

やがて、女房どのとくるみさんが帰宅する夕方6時頃「みぃーちゃ~ん!」と玄関から表に向って声をかけると、飛ぶように帰って来ます。
風呂場で足を洗ってもらい、体を拭いてもらい、家族とひとしきりお喋【しゃべ】りをした後、居間のコタツでくつろぎます。
その後、私が「教室に行くよ」と声をかけると2階についてきます。授業が終わる10時まで教室の座布団で眠り、授業が終わると、私と一緒に居間に下りてきて、しばらくは家族と共に一家団欒【だんらん】です。
夜中は女房どのと一緒に寝、朝は女房どのと一緒に起床、起きるとすぐ朝ご飯をねだっています。

みーちゃんは、こちらの言うことをだいたい理解します。また、彼の訴えも、十分、分かります。
もう、ほとんど、人間の子供と同じです。
ただ一つ、決定的に異なるところがあります。それは、彼の生き方が極めてシンプルな点です。みぃーちゃんを見ていると、私たち人間は、ちょっと複雑になり過ぎてしまったように思われます。
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いとおしい人たち

2007年02月17日 | 学校教育
昨年末、亡くなった児童文学者・灰谷健次郎さんの作品には、好ましくない環境下で、それでも、いや、だからこそ健気【けなげ】に育つ子供たちの姿が多く描かれています。そして、その子供たちや彼らの親に添っていこうとする教師の姿が描かれています。
私は、灰谷作品の中に描かれている人たちが、いとおしくてなりません。

灰谷さんのデビュー作である『兎の眼』のカバーの裏側にはこう記してあります。

「子どもたちの優しさが、すべての人々の足もとを照らし、未来に向けて歩もうとする太陽のような希望を、どのような不幸な人でも持てるような物語を、いつか、わたしは書きたかった。 灰谷健次郎」
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危うい空気

2007年02月16日 | 民生児童委員
先日、あるご夫妻のご依頼を受け、生活保護申請に係る意見書を提出していましたが、そのご夫婦に対する福祉事務所の聴き取り調査が1昨日午前中に行われ、立ち合いました。
聴き取りは、お2人の生い立ちから始まり、現在の所持金まで、耳を傾けているのが辛くなるほどの応答が続きました。
大病に次ぐ大病、大きな事故、うまくいかない事業、莫大【ばくだい】な負債【ふさい】、破綻【はたん】してしまった人間関係。調査は、おおよそ1時間かかりましたが、途中、本当に胸が痛くなりました。
人生は、失意と挫折【ざせつ】の連続ですが、私たちの身近なところで、このような過酷な人生を過ごしておられる方々がいらっしゃいます。
人生の最終盤を迎えられたお2人に、この先、心安らぐ日々が与えられますよう祈らずにはいられません。

この日、午後から民生児童委員協議会の定例会に出席しました。
聴き取りに立ち会った後、帰宅し、提出しなければならない書類を仕上げていると、昼食をとる間もありませんでした。

定例会は、町内の学校長・教育長を招いての懇談から始まりました。
いろいろ出ましたが、給食費滞納問題に関し、多く発言がありました。驚くことに、その全てが保護者を非難するものばかりでした。
そんなどうしようもないやつらは厳しい姿勢で臨まなければだめだという空気に満ちていました。
私は、給食費を払えるのに払わない保護者の元で育たたなければならない子供のことを思います。
環境が人の育ちに大きな影響を及ぼすというのは論をまたないでしょう。犯罪や非行の原因は、生活環境が大きな要因の1つと考えられています。保護者・親の在り方は、家庭環境の中にあって、もっとも大きな比重を持ちます。
本来、この問題は、好ましくない環境下にある子供たちの人間性を回復させる絶好の機会だととらえるべきだと考えます。
しかし、学校・教育委員会は、逆に子供がからんでいることだからと手をこまねいているだけです。
滞納が、払えなくて払っていないのか、それとも払えるのに払っていないのかさえも把握【はあく】していません。

何より、担任が家庭を訪ね、保護者から事情を聴き、その後、子供を含め、何故、給食費を納めなければならないのか、対話を重ね保護者に理解してもらうことから始めるべきです。ことは、教育の現場で起きているのです。教育者が教育者たらんことを願います。
会半ば、その旨【むね】の発言をしましたが、私は明らかに孤立していました。

小泉さんが政権をとって以降、全体主義的・国家主義的な保守反動の空気が社会を覆っています。それは、教育再生会議の報告に見られるよう、安倍政権になり、いっそう色濃くなってきました。そして、それが、例えば「たかじんの・そこまで言って委員会」のようなマス・メディアにまで及んでいることを危惧【きぐ】します。
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気持ちを紡【つむ】ぐ

2007年02月14日 | 暮らし
再びバソコンが壊れてしまいました。便利は不便につながります。ケータイから送信しています。

先週末、私の住む町で町内の高齢者と小中学生を対象にした第1回目の囲碁・将棋大会が開かれました。町の社会福祉協議会の主催によるもので、高齢者と子供たちが集い、日本の伝統的なボードゲームである囲碁・将棋を楽しむことで、町民の福祉の増進、融和【ゆうわ】をはかろうというものです。   

私たちの町には囲碁を楽しむ高齢者の方が多く、交流も盛んで、子供たちへの指導も熱心に行われています。そのかいあって、このところ地元の口石小学校チームが県を代表して全国大会に出場し、好成績をおさめています。
それに比べ、どういうわけか定かではありませんが、これまで不思議なほど将棋愛好家が見当たりませんでした。
今回の大会の世話人も囲碁が8人、将棋は私1人という将棋ファンにとっては寂しい状況でのスタートとなりました。

当初、今大会の発案者である社協の会長さんから将棋の方の参加者を募【つの】るようお声をかけられた時は正直、どうなるものかと思ったものでした。
子供の方は、佐世保の将棋教室「秀楽」に通っている子に声をかけ、なんとか同級生6人を確保したものの、案の定、高齢者の方からの応募はありません。チラシを配った後、しばらくは申し込み、わずか1人という状態でした。
そこで何とかしなければと思い出したのが、昨年秋のにいなめ祭のなおらい会の後、流れてお邪魔した坂本さんのお宅での話でした。

我が家の有紀さん、くるみさんが将棋を指すというのは、小さな町のことですから、わりとご存知の方が多く、しばしば話題に取り上げていただきます。この日、先輩の町内会長さんにお連れいただいた坂本さんのお宅でも、しばし、そのことが話題になったのでした。
お酒をごちそうになりながら、あれこれ将棋の話をしているうち、坂本さんが昔、消防団の夜警の際など、仲間うちでよく将棋を楽しんだたという話を伺うことができました。佐々町にも将棋愛好家がいらっしゃったんだと、嬉しくなり、将棋連盟佐々支部を立ち上げようなどと酒の席特有の盛り上がりをみせたものでした。
この日、私が坂本さんにお目にかかるのは初めてでした。積極的に、いろいろな場所に顔を出し、さまざまな方と交じり、対話を重ねようという思いが坂本さんとの出会いにつながったのでしょうか。

早速、坂本さんのお宅を訪ね、今大会の趣旨をお伝えし、ご協力をお願いしたところ、心よく出場をお約束していただき、かつてのお仲間の名前も数人あげていただきました。
町長さんもお仲間のお1人でした。早速、電話でお願いし、快諾を得ました。小さな町だからこその話です。
その地区の町内会長さんの名前もあがったので、これまた早速、出向き協力をお願いしました。こ自身はもとより、間もなく周囲の方、数人の出場まで取り付けてくださいました。
また、この他、里町内会の会長さんを含め町内会長さん3人もの方に趣旨をご理解いただき出場してもらったのも、たいへん嬉しいことでした。

一方、子供たちの方の参加者数も伸びず、町内に2つある小学校の教頭先生に再度、子供たちへの働き掛けをお願いしたところ、こちらも快く応じてくださり、それが最後のひと伸びになりました。

特記しなければならないのが佐々町民でない秀楽先生と増本さんのお力添えです。秀楽先生には、この話が出た直後から相談をし、応援をお願いしてきました。町内の参加者が少なければ、周りの市町から動員をかけてもらうことまで話していました。
しかし、それも杞憂【きゆう】に終わりました。将棋だけで高齢者・子供合わせ25名という、当初からすれば、信じられないほどの参加がありました。ちなみに囲碁の参加者は約60名もありました。

大会当日、高校将棋3冠に輝いた増本敬君がゲストとして招かれ大会に花を添えてくれました。お父さんにも秀楽先生共々、最初から最後まで競技の運営・進行をお手伝いいただきました。
なにせ、出場されたみなさんが初めて大会に出られる方ばかりで、その方々を3クラスに分けるところから始めましたから、ちょっとだけ大変でした。

社協の会長さんと職員のみなさんも総出で初めての大会を一生懸命支えておられました。昼食におにぎりを出していただいたボランティアのみなさんも、大きな支えでした。

おかげさまで囲碁も将棋も、一人ひとりの善意が集まってできたいい大会となりました。

昨日、坂本さんたちのところへお礼に伺うと、楽しかったので、里町内会の者で集まって将棋をしようという話になっていると聞きました。さらに、交流の輪が広がればと願います。
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愛があれば

2007年02月09日 | 父親と子
先月末、有紀さんが学校の百人一首大会で優勝したといいます。そういえば、少し前、くるみさんも、学校の百人一首大会で優勝したと言っていました。

彼女たちが小学生の頃、塾での授業の始まりは百人一首の音読でした。2人とも、いつの間にか自然と覚えてしまいました。

「すぐれた人の書いた文章は、それを黙読【もくどく】翫味【がんみ】するばかりでなく、ときには心ゆくばかり声をあげて読んでみたい。
われわれはあまりに黙読になれすぎた。文章を音読することは、愛なくてはかなわぬことだ。」
島崎藤村は、こう言っています。

2人が百人一首大会で優勝できたのは、おまけです。
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みぃーちゃんの生き方

2007年02月08日 | 我が家の猫・みぃーちゃん
明け方、子猫の夢を見ました。どうしてそうなったのかは思い出せないのですが、とにかく、生まれて間もない子猫を引き取ることになりました。
食事を与えようと準備にかかりましたが、どういうわけか果汁を哺乳瓶に入れてしまいました。どうやら、わが子の子育ての思い出と重なっているようです。
やがて、女房どのとみぃーちゃんの声が次第にはっきりしてきました。朝、いつものように食事を催促するみぃーちゃんと女房どののやりとりです。

私たち家族は、毎年、正月の2日に義兄家族の家へ年始に出かけます。女房どのの両親が存命中から変わらずそうです。その逆は、ほとんどありません。ところが、珍しくその兄夫婦が先日来訪した際の話です。
ちょうど土曜日の夕食時でしたので、みんなで食卓を囲みました。私と義兄は、もちろん晩酌【ばんしゃく】をいただきました。私はロックで、義兄はお湯割です。胡坐【あぐら】を組み、そのお湯割を飲みながら話す義兄の足の上に、みぃーちゃんは、ちょこんと乗っていました。
義兄夫婦のところは犬を飼っています。特に義兄は溺愛【できあい】しています。その義兄がしばらく経ったところで、実は自分は猫が嫌いであると告白しだしました。猫嫌いの自分のひざの上でまどろむみぃーちゃんに心を動かされたのです。義兄とみぃーちゃんは初対面でした。

みぃーちゃんは不思議な猫です。
彼は誰に対しても友好的なのですが、特に初対面の人や猫嫌いな人ほどスキンシップを強く求めます。
塾生の中にも、大の猫嫌いの女の子がいました。みぃーちゃんが近寄るだけで悲鳴を上げて逃げ回っていました。ところが、どんなに嫌われようが、みぃーちゃんはその子が座っている元へ行くのです。
それから数ヶ月経ち、今年になってからのある日のことです。教室に入って来たみぃーちゃんは、まっすぐにその子の方へ歩いて行き、その子の足の間に座りました。女の子はというと、みぃーちゃんの方にちょっと目をくれましたが、後は何事もなかったかのようにプリントに目を落とし、シャーペンを走らせていました。
私は、その光景を見ていて微笑【ほほえ】ましくてなりませんでした。

義兄にその話をすると、彼はうなっていました。
みぃーちゃんは、誰とでも仲良くなれることを私たち人間に教えてくれています。
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狂ったコンパス

2007年02月07日 | 学校教育
けがをさせた同級生への謝罪の言葉がノートに 中2自殺(朝日新聞) - goo ニュース

先月、政府の教育再生会議の第1次報告最終案が明らかにされましたね。その「7つの提言」の中から、あらためて、ここにいくつか記してみましょう。
1、「ゆとり教育」を見直し、学力を向上する。
・授業時間の10%増・補習などのため「土曜スクール」の実施・学校選択制の導入
2、学校を再生し、安心して学べる規律ある教室にする。
・出席停止制度の活用・警察との連携・反社会的行動を繰り返す子供に対する毅然【きぜん】たる指導
3、すべての子供に規範意識を教え、社会人としての基本を徹底する。
・「道徳の時間」の確保と充実・高校での奉仕活動の必修化
4、あらゆる手だてを総動員し、魅力的で尊敬できる先生を育てる。
・社会の多様な分野から優れた人材を今後5年間で2割以上、教員に採用・メリハリのある給与体系で差をつける・昇進面での優遇・優秀教員の表彰
5、保護者や地域の信頼に真に応える学校にする。
・「教育水準保障機関」(仮称)による外部評価・監査システムの導入
6、教育委員会の在り方そのものを抜本的に問い直す。
・教委を住民や議会がチェック・危機管理チームを設置・教職員の人事権を市町村教委に極力、委譲・教委のあるべき姿の基準や指針を国で定め公表・第三者機関の外部評価制度導入
7、「社会総がかり」で子供の教育にあたる。
・「家庭の日」を利用した多世代交流・食育の推進・有害情報から子供を守る
さらに「4つの緊急対応」として「ゆとり教育」見直しのため学習指導要領改定と学校教育法改正や、いじめ問題対応のため「体罰の範囲」に関する政府通知を3月末までに見直しすることなどがあげられています。

こうして、あらためて記してみて、私は暗澹【あんたん】たる思いでいっぱいです。
学校や社会が、ますます息苦しくなっていくのを憂慮【ゆうりょ】します。
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