映画「見知らぬ乗客(1953年公開)」を観た。
【解説】アルフレッド・ヒッチコック監督が、「太陽がいっぱい」で知られるミステリー作家パトリシア・ハイスミスの同名小説を映画化。探偵小説作家レイモンド・チャンドラーが脚色を手がけ、交換殺人を持ちかけられた男の恐怖を描く。テニス選手のガイは、不貞な妻ミリアムと離婚して上院議員の娘アンと再婚することを望んでいた。そんなある日、ガイは列車の中で見知らぬ男ブルーノから話しかけられる。ブルーノはなぜかガイの事情を良く知っており、ミリアムを殺す代わりにブルーノの父親を殺して欲しいという“交換殺人”をガイに持ちかける。ガイは相手にしなかったが、その後ブルーノは本当にミリアムを殺害し、ガイにも殺人を実行するよう付きまとう。
冒頭の開始数分で胡散臭さ満載に見えるブルーノの演出は実に素晴らしい。登場する人物たちが離婚を心待ちにしている議員家族や離婚に応じない遊び人の妻、マザコン中年男性(ブルーノ)とその母親、やたら目障りな妹(監督の実子?)、愚かなテニス選手(ガイ)とどれも独特で、この時代ならではのシンプルなサスペンス感を楽しめる。もし今のこの時代に製作したら、冒頭の偶然の出会いも「実は」的な展開にしたり、ブルーノ自身も正常な設定にすれば、もっとサスペンス感が高まるかも知れない。
排水口に落としたライターを拾うシーンが何故だか非常に手に汗握ってしまった。
これまでヒッチコック作品は(大人になってから)「知りすぎていた男」「ハリーの災難」と観たが、残念ながら本作品でも監督のカメオシーンを見つけられなかった。嗚呼三連敗・・・
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