水持先生の顧問日誌

我が部の顧問、水持先生による日誌です。

やりたいことノート

2021年08月27日 | 学年だよりなど
1学年だより「やりたいことノート」


 昨年度3年生を担当していて、推薦型入試の「志望理由書」「自己推薦書」を、相当数添削させてもらった。みなさんの中にも、再来年書くことを想定している人が多いかもしれない。
 推薦型入試(AO入試や指定校推薦)の受験を考えていなくても、自分が何学部に行きたいのか、どんな勉強をしたいのかについては、そろそろ考え初めてもいい。
「将来、自分がどんな仕事につきたいのかを考えて、大学選びをしよう」というような話を、受験雑誌などで読んだことがあるかもしれない。
 現実的には、将来の具体的な職業を思い浮かべて、それを基に大学を選ぼうとするのは、徒労になる可能性が高い。
「小学生がなりたい職業の第一位はYouTuber」、というような記事を読むと、みなさんはどう感じるだろう。「子供だからしかたないよね」か、それとも「実はおれもYouTuberを本気で目指してる」なのか。一昔前だったら、この手のアンケートに「YouTuber」と書かれることはなかった。
「プロのゲーマーになりたい」でもいいし、「学生のうちに自分の会社を持ちたい」でもいいが、一昔前だと想像もできないことが、現実には普通に可能な時代だ。
 商社マンになりたい、金融関係に努めたい、エンジニアになりたい、広告会社に入りたい……。
 周囲からうらやましがられそうなこういう職種が、十年後も確実に存在するだろうか?
 今のみなさんが想像するようなあり方で存在しているとは、なかなか思えない状況にある。
 お医者さん、法曹関係といった、ちょー頭のいい人しかなれなそうな仕事でも、AI技術の進化とともに大きく様変わりするだろう。
 そもそも、みなさんは、どれほどの職種を知っているのか。YouTuberになりたいと口にする今時の小学生とどれほど違うのか。
 実は大人も同じだ。われわれ教員も、みなさんのおうちのかたも、進路の雑誌を作っている人も、それぞれ狭い世界しか知らない。
 いやうちのお父さんは世界を股にかけて活躍しているという人もいるかもしれないが、世界の広さの前には、個人の知っている世界など0.001%にも達しない。
 逆にほとんど外に出ないで、部屋にこもっているだけのような人が、かえって様々な情報を手にいれ、世の中をマクロに捉えられている場合もある。
 どんな仕事をするかではなく、どのように働くかが大事になってくるのだと思う。
 何を見ているかではなく、どう見るかによって、ものの見え方は変わる。
 ちょっと漠然としているので、将来を具体的に考える方法を伝えておきたい。
 自分の将来像をつくるためのノートを一冊用意しよう。
 そこに、やりたい仕事、気になる学問、入ってみたい大学、好きなもの、興味をもっているものを、いろいろと書き出してみる。さらに、それらからの連想で、やってみたいこと、行ってみたい場所、会ってみたい人、読んでみたい本などをメモしてみる。
 次から次へとうかんできたら、それは自分の「やりたいこと」である可能性がきわめて高い。
コメント
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