”農”と言える!?

元・食推おばさんのソムリエ日記

天草はにんじんの香り?

2012-04-14 12:11:02 | 果物

あるお茶農家さんが初めて挑戦した柑橘、

「天草(あまくさ)」をいただきました。

Img_3311

大きさがわかるように、隣りに卵を置きました。 (^^)

 

1個160gほど。

皮は赤っぽい橙色で、とても薄くて軟らかいのですが、

手で剥くよりも、ナイフでカットがおすすめ。

Img_3318

ジューシーで香りが高く、とっても食べやすい柑橘です。

 

しかし、皮を剥く前の果実丸ごとの香りが独特。

柑橘の爽やかな香りというよりも、

もっと濃厚なにんじんに近い、

β‐カロテンを感じる香りがするんです。

色を見て、脳がそう感じてしまっているのか・・・?

調べてみましょう。

 

●天草の来歴

 天草は、清見と興津早生という温州ミカンの交雑種に

 ページオレンジを交配して1982年に生まれました。

 ページオレンジ?

 オレンジページなら知っているけど、 ^^;

 初めて聞くなぁ・・・。

 ページオレンジとは、ミネオラとクレメンチンマンダリンを

 交配して育成した品種とのこと。

 ということは、

 天草=(清見×興津早生)×ページオレンジ

                 (ミネオラ×クレメンチンマンダリン)

 

●柑橘の分類

 さあ、ここで柑橘を分類してみましょう。

 タンゴール類・・・みかん類とオレンジ類を交配したもの

   いよかん、清見、でこぽんなど

 タンゼロ類・・・みかん類とグレープフルーツ類、

          みかん類とブンタン類を交配したもの

   セミノール、ミネオラなど

 

 しかし、今は清見を母親とする様々な柑橘が生まれています。

 ということは、タンゴール類とタンゼロ類を掛け合わせることも

 あるわけで、分類も難しくなってきています。

 

●天草はなぜ、にんじんの香り?

 さて、ここでもう一度上に赤い字で記した部分をご覧ください。

 天草には、ミネオラというタンゼロ類の血が入っています。

 こちらのサイトの「柑橘の栄養と効能」という部分を見ると、

 http://www.kudamononavi.com/zukan/citrus.htm

 タンゼロ類にはβ‐カロテンが多く含まれていることがわかります。

 

 以上のことから、天草のにんじんの香りは

 天草のおじいちゃんかおばあちゃんにあたる

 ミネオラの血を多く引き継いでいるからではないかと

 想像するのですが・・・。

 どう思います???

 

※私の自由研究のために貴重な資料をお送りくださった

 静岡県果樹研究センターのT様、

 心から感謝申し上げます。

 

コメント
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