透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

デザインのルール

2019-07-19 | A あれこれ

  

 今回はレバーハンドルを例に、デザインの「ルール」について。

住宅の玄関は引き違い戸ではなく、開き戸が多くなった。理由として洋風のデザインの増加や開き戸の方が施錠しやすいということなどが挙げられるだろう。

さて、この開き戸、かつては握り玉をつけることが多かったが、最近ではレバーハンドルが圧倒的に多くなった。メーカーのカタログには材質や形状が異なるたくさんの製品が載っている。上のレバーハンドルの写真はあるメーカーのカタログに載っている製品。

別に確認するまでもないことだが、レバーハンドルは上の写真の例だと右手でレバーを下げる(時計回りに回転させる)という操作をするということは経験上分かるが、ふたつを比較した場合、どちらがその操作をイメージしやすいだろう・・・。

回転させるという操作が視覚的に伝わってくるのは右だ。左はレバーハンドル初めてっていう人なら手前に引いてしまうかもしれない。

操作方法が見ただけで分かることが人が操作するもの(家電製品でも道具でも建築部品でもなんでも)のデザインの基本的なルール。

視覚的に操作方法が分かること、というルールはまだ世の中の常識ではないようだ。この条件を満たす製品がまだまだ少ない(どのメーカーでも事情は同じ)。あるいはデザイン過多によって減ってしまったのか。

操作方法が分からなくて戸惑ったという経験がないだろうか。 

小さな子ども、ハンディを持った人、そして私のように老人力がついてきた人にも操作方法が分かりやすいことがデザインのルール(いわゆるユニバーサルデザイン)だといわれて久しいが、このルールに基づくデザインが常識になるのはまだまだ先のことのようだ。


2007年1月6日に投稿した記事に加筆、再掲した。



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