透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

173 174 穂高の火の見櫓

2011-07-27 | A 火の見櫓っておもしろい


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1 櫓のプロポーション ★★★★★
2 屋根・見張り台の美しさ ★★★★

3 美脚度  ★★★★★

 少なくとも高校までの試験問題では正解はひとつ、でした。でも世の中、そんなに単純ではないですよね。正解が複数あることや、正解があるのかどうかわからないことの方が多いような気がします。

火の見櫓のデザインもその一例です。「みんな違う でもみんな正解」 という気持ちで観察しています。

さて、今回は安曇野市穂高で見かけた火の見櫓です。櫓のプロポーションはなかなか良いと思います。もう少し細身がいいかな、とも思いますが屋根・見張り台のカチっと固い印象の男性的なデザインにはこの位の太さがちょうどいいでしょう。で、プロポーションについては減点無しとしました。

屋根・見張り台はバランスが良く、形も整っています。でも私の好みからすれば、下の写真(池田町の火の見櫓174)の屋根・見張り台のような柔らかなデザインがいいです。形は個性的で尚且つ良くまとまっていると思います。


174 北安曇郡池田町の火の見櫓



脚部のアーチは大きさが適度で好ましいと思いますが、シンプルで、ちょっと物足りないです。でも減点するほどではないでしょう。


 


坂道もおもしろそう(改稿)

2011-07-27 | A 読書日記



 何でも趣味の対象になるんですね、もちろん坂道も。タモリは大の坂道ファンだそうで、日本坂道学会副会長だとか。

先日『タモリのTOKYO坂道美学入門』講談社 という本をカフェマトカでパラパラと見たのですが、なかなかおもしろい内容でしたので購入しました。本に載っているカラー写真は全てタモリが撮ったそうですが、どの写真にも人も車も写っていません。ネコもイヌも。タモリのこだわりというか美学なんでしょう。中目黒のなべころ坂の紹介文に**カメラを構えると、すかさず宅配便の車が止まるんで困っちゃいました**と書いています。タモリの写真は坂道を的確に捉え、しかも美しい。タモリって何でも器用にこなす人ですね。

タモリは「よい坂」の条件を4つ挙げています。
1 勾配が急である 
2 湾曲している  
3 まわりに江戸の風情があること 
4 名前に由来、由緒がある

3の条件はよく分かります。東京って意外なことに昔の風情を醸し出しているスポットが結構残っているんですよね。タモリは取り上げた坂道の実力判断ということで、この4つの項目についての数で評価しています(これに倣って火の見櫓の評価を始めたのです)。

私が今関心があるのは「菊坂」。この坂道の路地には樋口一葉が19歳の時から4年間住んでいたそうですね。タモリがこの本で取り上げている37の坂には菊坂は入っていませんが、どんなところなのかいつか訪ねてみたいと思います。

それから、この本の写真を見て行ってみたいと思ったのは日無坂(東坂)。タモリはこの坂を**坂道とY字路の幸せな融合。Y字路も大好きなんで絶対に見逃せない坂道です。**と紹介しています。なかなかおもしろい空間構成になっています。

ありがたいことにどの坂にもウォーキングマップやお立ち寄りスポットが載っています。今度東京するときは、この本を忘れないようにしないと・・・。


しばらく前に読んだ『江戸の坂 東京の坂(全)』やこの本で、坂道のおもしろさ、奥深さに気付かされました。